1. 2023/08/24(木) 12:43:03
注目すべきはその人が育ってきた社会のあり方、つまり“後天的な環境要因”も脳構造に影響を与えている可能性があることだ。日本を含む29カ国の研究チームがジェンダー・ギャップ(男女格差)などを指数化し、各国の男女約8000人のデータを分析すると、社会的な性差が大きい国ほど女性の大脳皮質の厚みが男性より薄い傾向にあることがわかった。
「後天的な環境要因が脳の発達の性差に影響する。これが、かなり大規模な研究結果で示されている。生まれつきだけではなく、生まれた後の環境的な問題だ。『女性としてこう生きるべき』『男性とはこうあるべき』といった生育の環境要因が、実は脳構造で大きな差を作っていくことが研究で示された」
様々な点で男女の脳に構造的な違いはあるものの、それが行動や認知の差にどう影響しているかはまだ研究段階で結論が出ていない状況だという。
そのため、生物学的な違いと社会的な違いの議論を安易に混同しないよう注意が必要だと山縣准教授は話す。
「認知機能やコミュニケーション能力において、神経心理学・心理検査の結果から、性差は非常にわずかだと言われている。逆に、80%ぐらいがオーバーラップ(共通)しているという結果から、それが『性差』なのか『個人差』のレベルなのか、非常にわかりづらく難しい。ある項目において明らかに性差があっても、それ以外ではそこまで差がない。科学的な答えと我々が日常で感じている感覚は、簡単にすぐには結びつかない。現時点で『男性と女性は元々脳が違う』といった安直な二元論は、なるべく避けたほうがいいと、医療をしている立場としてお伝えしたい」
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