1. 2023/07/30(日) 20:21:46
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駆けつけた警察官から「本籍はどこですか」と尋ねられ、門口さんたちが改めて過去の記録を調べると、どこにも記載がなかったことに気づいた。そこで警察が調査することになったが、結局「橿本芳江」という人物の戸籍は見つからず、身元不明の「行旅死亡人」として官報に掲載されることになった。死後、銀行口座などに400万円近い貯金が残されたが、ほとんどが障害年金だという。今後、国庫に編入される見込みだ。
行旅死亡人として行政の手で火葬されてしまったら、遺骨は原則、相続人となった親族しか引き取ることができない。橿本さんと暮らした人々は誰も、彼女が無戸籍だった事実を把握していなかった。
「芳江ちゃんは30年以上、一緒に暮らした家族の一員です。生前にお墓も作ってあるので、せめて分骨だけでもしていただけないでしょうか」と幸代さんは市の職員に交渉したが、「法規で決まっており、できません」との返答だった。仕方なく、出棺までの間に、駆けつけた事業所の職員らとひつぎを囲んで別れを惜しんだという。
市の規定では、遺骨は5年間、市立舞子墓園(神戸市垂水区)に納められ、その後は公営霊園に納骨されることになっている。市の担当者は説明する。
「神戸市の内規では、相続人がいないとき、正当な請求者と認められる場合なら遺骨をお渡ししても構わないとなっています。ですが現実問題として、官報に行旅死亡人として公告を出している以上、相続人が名乗りでてくる可能性も完全にゼロとは言い切れませんから、容易にお渡しはできないのです」
門口守子さんは、行政が法規に厳格に従う必要を理解しつつ、それでも「むごいな」と感じざるを得なかったと言う。
門口さんらが用意していた墓は、教会から車で数分ほどの場所にあった。そこではすでに、教会で一緒に暮らした仲間らが合葬されているが、橿本芳江さんの遺骨が共に納められる見込みはない。戦後の捨て子は、家族の姿を再び見失ったままだ。
捨て子だった女性が、無戸籍のまま過ごした70年 やっと手に入れた「家族」との日々も、死後は身元不明の無縁仏に(47NEWS) - Yahoo!ニュース
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今年3月、ある女性が、身元不明で引き取り手のいない遺体「行旅死亡人」として官報に載った。女性の名は橿本芳江(かしもと・よしえ)さん。氏名や住所があったが、それにもかかわらずに身元不明と扱われたのには訳があった。橿本さんは「無戸籍」だったのだ。なぜ無戸籍だったのか? 調べると、彼女は戦後、国鉄の駅に捨てられていたところを保護された孤児だったことが分かった。
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