1. 2023/06/06(火) 19:36:58
■いまなお残る「義親の介護は嫁」という固定観念
■要介護者の急増で「お金があっても施設に入れない」ケースも
上記の綾子さんだが、義父の年金収入は毎月20万円ほどだという。厚生労働省によると、厚生年金受給者の平均年金額は65歳以上男性で平均17万円程度。それに比べて高い年金を受給している義父だが、現役時代の蓄えもあり、経済的な不安はないという。
「夫に〈義父を施設にあずけてては?〉と打診したこともありましたが、〈長男の嫁がそれでは、僕の立場が…〉といわれ、義理の叔母からも〈長男の嫁が介護放棄なんて、とんでもない!〉と…。もう逃げられません」
前出の厚生労働省の調査から介護時間が「ほぼ終日」となる同居の場合の介護者と要介護者についてみていくと、「夫を介護する妻」が最多で40.9%。「親を介護する子ども(女性)」が19.8%。「妻を介護する夫」が14.0%、「親を介護する子ども(男性)」が11.8%と続く。
なお、「義親を介護する妻」は7.3%と、この数年で4ポイント以上もダウンしているが、「義親を介護する夫」の割合はわずか0.4%。義親の介護においては、圧倒的に「嫁」が介護にあたるケースが多いことがわかる。
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北関東に暮らす50代後半の綾子さん(仮名)は、要介護2の義父を自宅で介護している。義父は認知症が次第に進行し、大声を上げる、徘徊するといった行動が増え、目が離せない状況だ。夫は多忙な会社員ということもあり、やはり会社員だった綾子さんに頭を下げて退職してもらい、自分の父親の介護を全面的に任せている。 「もうそろそろ、この生活も2年になろうとしています」 綾子さんはつぶやく。 「自分たちの老後のことを考え、仕事を辞めるのは嫌だとはっきり伝えていました。しかし、夫から再三にわたって義父の介護をするよう頭を下げられ、親族からは〈長男の嫁なのに…〉と厳しい目を向けられ、結局、私が折れる