1. 2023/05/20(土) 11:10:48
しかし結婚報告は酷いスタートとなった。…
「僕は愛美さんとお付き合いをさせて頂いております。本日はご両親様に、愛美さんとの結婚を承諾して頂きたくご挨拶に参りました」と椅子にも座らず、立ったまま深々と頭を下げ続けたそうだ。
しかしその誠意は全く母親に伝わらない。そんな健太さんに母親はなおも暴言を吐き、「愛美は医者としか結婚させない! 給料はいくら貰っています? あなたは無理です!」と言って、人としての格が違うと言わんばかりに、馬鹿にした顔でニヤついたそうだ。それでも健太さんは食い下がり、
「僕は医者ではありません。ただの店員です。しかし愛美さんを世界一幸せにする自信はあります」と説得にあたったものの、母親のヒステリックは苛烈を極め、
「自信なんていう薄っぺらい言葉より、医者の肩書きが必要なのよ! 医者しか愛美を幸せにできないのよーっ!」と叫び出して、床に落とした明太子の箱を健太さんに投げつけ、父親が母親を押さえつけはじめ、その間に、健太さんを愛美さんが外へ連れ出す形で、挨拶は終わってしまったそうだ。
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それから2週間後、愛美さんは、健太さんに別れを告げられた。
「『あの母親を説得するのは無理だ』と言われ、『幸せに出来なくてごめんね。別れよう』と言われてしまいました。物凄く悩んだ末の言葉だったと思うし、私の不幸に健太さんを付き合わせる事はできないので、泣きながら受け入れました」
出典:newsatcl-pctr.c.yimg.jp
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愛美さんは、母親の敷く『人生のレール』から逃れる事ができずに29歳まで生きてきた。しかしアパレル店員の健太さん(仮名・当時30歳)と知り合い、ようやく自分の意思を持てたという自覚が得られる。