1. 2023/05/08(月) 23:09:00
「現状では『支援が限定的で、自分やわが子の将来が保障されていない』という認識が国民側にあり、その不安を解消するために、子どもが小さい頃から塾に通わせたりといった“自助努力”で教育に投資する家庭も少なくありません。これにより、『子どもを持ち育てるのは、お金を含めた負担があまりに大きく大変』という社会通念が一般化し、国民が子どもを望むことそのものに難しさを感じるようになることで、少子化が加速するなど悪循環を生み出しているといえます。
また、政府は企業に対し、産休育休の取得や労働時間の短縮を促していますが、ある調査によると、『従業員の労働時間の短縮など一連の働き方改革で業務が効率化した企業は、全体の16%のみにとどまる』という結果が出ています。
言い換えると、労働時間の短縮は、およそ8割の企業で総生産量の低下につながっており、労働者にとっては、プレッシャーの増加や労働条件の悪化などを招き、結果的に子育て世代の心身の余裕を奪っていたとみることができます。つまり、誤解を恐れずに申し上げると、構造的には、リサーチ実施当時行われていたいわゆる『働き方改革』は、少子化を加速させていた可能性が高いといえるのです」
「国による一貫性のある総合的なサポートにより、出産・育児適齢期の国民に心身の余裕が生まれ、子育てと並行して働く人の数が増える、という好循環が生まれることが望ましいのですが、現状は残念ながら『予期せぬ敵対者』と呼ばれるシステム原型(典型的なうまくいかない構造)に陥っており、国と国民が図らずも構造的に敵対してしまっているのです」
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「今の日本は、人間が本来もつ欲求である『子どもを望むこと』が難しくなり続ける社会構造にあると分析しています」というのは、「『ちょっといいこと』をもっと社会に」をコンセプトに、地域で人と人とをつなげる具体施策の研究開発や実装支援、システム思考を生かしたリサーチや事業支援などを行う一般社団法人たまに代表理事の佐竹麗さん。