1. 2023/04/19(水) 10:47:34
(本文は長いため一部抜粋しますが、詳細を読んで頂いたほうが松永さんの心情を知ることができると思います)
「本件事故につき、直接謝罪する機会を設けさせて頂きたいと考えています。そこで原告(松永さん)らが上記被告飯塚の要望に了承頂けるのであれば、裁判所において下記候補日程で、新たに期日を設定頂きたく上申いたします」
東京地裁に提出された時期は、過失運転致死傷の罪に問われた飯塚受刑者に対する実刑判決が確定した直後だった。しかも、近く刑務所に収監される可能性があるとして、謝罪の候補日を3つ指定してきた。
この申し出に、松永さんは戸惑いを隠せなかった。
なぜ謝罪をする側が主導権を握って場所と日程を決めてくるのか……。
「申し出を受けるかどうか寝られないほど悩みました。しかも、刑務所に入る可能性があるからというので、早く決めないといけない。本当は彼の顔も見たくなかった。でも考え抜いた末に、彼が謝罪をすることで、人生において何らかの救いになるのであればと思い、受け入れることにしたのです。友人からは『どこまでお人好しなのか』と言われました」
しかし、条件面で引っかかった点がある。それは謝罪の場が、法廷に指定されていたことだ。
「別に法廷じゃなくてもいいですよね? どこか会議室を借りて、そこで謝っていただければいい」
松永さんら原告代理人は、謝罪の場所や日程は原告側が決めることを条件に受け入れると決断し、準備書面で伝えた。すると被告代理人は一転、受けられないと断り、その態度が松永さんの逆鱗に触れた。
「あの申し出は何だったんだと。彼に対して大きな心を持って接しようと思った気持ちが踏み躙られました。謝るなら裁判所だろうが会議室だろうが変わらないですよね? つまりそこまでして謝りたいと思ってなかったってことです。その程度の謝罪だったんだなと」
被告の申し出は、この裁判の法廷の場での謝罪である。つまり謝罪の事実が法廷で示されれば、「被告の反省」ととらえられ、原告への賠償額を決める際、被告にとって有利にはたらく可能性がある。
「今回の飯塚氏側の立ち振る舞いは、あまりに私たちに配慮がなく、自己中心的でした。専ら『自分たちのためだけの謝罪』の申し出であったとしか思われず、刑事事件が確定したという事実や安堵感が吹っ飛ぶほどの衝撃でした。そのような心情をぜひご理解いただきたいと思います」
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被告代理人を通じて、松永拓也さん(36)のもとに謝罪の申し入れがあったのは2021年9月下旬のことだった。被告は飯塚幸三受刑者(91、禁錮5年の服役中)と損害保険会社の代表である。