1. 2023/03/21(火) 19:42:26
「今アクションを起こさないと、将来、世界と対等に渡り合えない」
2025年4月の入学者から、全学院(学部に相当)で女子枠を設ける東工大の井村順一理事・副学長は、毎日新聞の取材にこう語った。
15年に実施された国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の男女別平均点を見ると、小学4年生の算数は男女とも593点、中学2年生の数学は男子585点、女子588点で、いずれも男女差はない。
それにもかかわらず、日本で理工学系に進む女子学生が少ないのは、「女性は理数系が得意ではない」などのアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が理由の一つだと指摘されている。
井村理事によると、女子枠導入については肯定的な意見が多かったが、一部の学生からは「逆差別」「偏差値が下がるのでは」などの反対意見もあったという。
しかし、井村理事は「学びや研究活動において多様性のある環境を整えていくことは、全ての学生にとってポジティブな影響を与える」と話す。
+25
-39
大学入試で「女子枠」を設ける動きが広がっている。背景には、理工学系に進む女子学生が少ないことや、日本の産業界が抱える危機感があるが、女子学生をいわば“優先的”に入学させようという取り組みには「不平等」との声も一部で聞かれる。なぜ今、入試の「女子枠」が必要なのか。大学や識者に話を聞いた。