1. 2023/03/08(水) 10:49:02
「これ以上やせたら死んでしまう。無理やりにでも入院させたい」「1年前から生理が止まっているようだ。将来、子どもを産めなくなるのではないか」
「医師から脳が萎縮していると言われた。もっと早く受診させればよかったと後悔している」
というように、やせすぎた子どものからだを心配して相談してくるケースが目立つ。
一方、本人は「やせたままでいたい」「もっとやせたい」と思っているので、やせの程度が軽いうちは本人からの相談は少ない。かなりやせてから『からだがきついのでどうすればいいか』と相談してくることはあるものの、『心の部分には踏み込まれたくない』と言われてしまうこともあるという。
「ある相談者が『(やせによる)低血糖で内科や救急科は受診するけれど、精神科や心療内科には行きたくない』と言っていたのが印象的でした。治療への不安からこのような言葉が出ている可能性もあるので、病院に行きたくない理由を尋ねるようにしています」(河合医師)
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摂食障害(拒食症・過食症)は10~30代の女性に多く、医療機関を受診する患者は年間約22万人。しかし専門的な治療を受けられる医療機関が少ない上に、情報も乏しく、未受診の潜在的な患者や予備群はその何倍もいると考えられている。国立国際医療研究センター国府台病院(千葉県市川市)は早期治療につなげるため、2022年1月に「摂食障害全国支援センター:相談ほっとライン」を開設し、全国の患者や家族から寄せられる相談に応じてきた。開始1年間に寄せられた856件の相談内容から、どのようなことが見えてきたのか。同院心療内科診療科長の河合啓介医師に話を聞いた。