1. 2023/02/16(木) 10:31:19
住宅ローン利用者の約7割を占める変動型金利で借り入れたのは約3000万円(返済期間35年)で、月々の返済額は8万円ほど。とはいえ、賃貸マンションで「独身貴族」を謳歌(おうか)してきたAさんは、家賃に毎月約9万円払っており、返済負担をそれほど高く感じていなかったのも事実だ。一等地にあるとは言えないものの、職場まで約40分で行ける分譲マンションは初めて手に入れた自分の「資産」でもある。
しかし、結婚式を間近に控えたAさんは、不安を隠せなくなった。毎月のローン返済に加えて、マンションの管理費や修繕積立金などもかさみ、2人で住むようになれば生活費も増えていくからだ。給与が上がらない一方で、物価が上昇し、電気代やガス代も膨れ上がる。国は「貯蓄から投資へ」と号令をかけるが、投資にも貯蓄にも回すだけの余裕はない。
「この状況が70歳近くまで続くということだよね。子供が産まれて教育費もかかると考えただけでゾッとする」。
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朴訥(ぼくとつ)なタイプのAさんは、年収約450万円で、手取りは月30万円弱。決してイケメンとは言えず、高学歴・高収入のカテゴリーにも入らないが、結婚を前提に交際を始めた女性と過ごす時間に満足する日々を送っていた。出逢いから3年近くが過ぎ、2人の意識は将来のことに。「両親も東京に住んでいるし、結婚後は近くで暮らしたいね」「やっぱりマイホームが欲しいよね」。週末にデートを楽しむ時も、2人の視線は自然と好立地の分譲マンションに向けられる。「もう、買っちゃうか」「うん!」。