1. 2023/01/16(月) 22:24:41
※以下抜粋※最近、「マミーギルト」という言葉を見たり聞いたりすることがあります。マミーギルトとは、「自分は母親なのに仕事をしていて、十分子どもの世話をしていないから、良い母親ではない」と子どもや家族に罪悪感を抱き、自分を責めてしまう感情のことです。
仕事も子育ても精一杯しているのに、なぜか罪悪感がある……。これもまさにアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の一つといえるでしょう。しかし、これは今に始まったことではありません。コロナ禍以前から、「母親が働いているからといって、子どもが不利になってはいけない」「子どもが理想通りに育っていないのは、私が仕事をしているからかしら」と思い悩む人はたくさんいました。
マミーギルトを感じている母親はそういった批判に反発することができず、「そうだ、私は働いていても子どもに迷惑をかけてはいけない」「母親は子ども優先であらねばならない」と自分を縛ってしまうのです。
そんなワーキングマザーたちに私はいつもこう言っています。「じゃあ、どこかに100%完全な母親はいる? あなたは60〜70点かもしれないけれど、他の人だってみんな良いところもあれば悪いところもあるのよ」と。
子どもにしてみれば、いつも学校から帰ると家にいて、おやつを出してくれる。あるいはいつもそばにいて、話を聞いてくれる。そんないわゆる「普通のお母さん」を期待しているかもしれない、と。
でも、この「普通」というのは、アンコンシャス・バイアスはもちろんですが、それを超えて言葉の暴力だと私は思うのです。「普通」の人なんてどこにもいませんし、そもそも普通という基準はないのです。ですから、「普通の家はこうだ」「普通のお母さんはこうだ」ということに縛られてはいけません。どの子も、その子の与えられた場で、与えられた運命を生きるほかありません。
マミーギルトから派生する子どもへの思いはいくつになっても、消えないものなのかもしれません。でも、過度に罪悪感を感じる必要はないと私は自身の経験からも思います。
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理想的な親子関係とはどんなものか。昭和女子大学総長の坂東眞理子さんは「母親は働いていても完璧に子育てしないといけない、親の介護は子どもが責任を持たなくてはいけない、というのは思い込みにすぎない」という――。