1. 2022/08/17(水) 21:48:02
「私の両親ぐらいの60代から70代くらいって、高度経済成長期で景気がよかったため、短い期間の教育投資であっても十分リターンがあった世代なんですね。だから、大学院生や研究者志望の若者に対して、『30歳にもなって、金にもならない勉強をがんばっている奇特な人』というイメージが強いんですよ。
一方で、私のようないわゆる『低成長時代』の第1世代は教育や自己投資への捉え方も違いますし、海外で大学院生や研究者への扱いの違いも、私は身をもって感じてきました。だからこそ、学ぶ人たちの捉え方が『次のキャリアのための見習い期間』というふうに変わればいいなと思うし、自分に投資して再教育し続けていくことの大切さについても理解が広がればと思っています。
また、大学も奨学金制度も、生涯教育などの観点ではまだまだ改善できるポイントがあると思いますし、大学院についても新しい価値を作る力を身につける場所として、給付型奨学金の実現が難しくても、大人向けの支援プログラムが充実すればいいなと思っています」
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この連載には大学進学を機に、10代で奨学金を借りた人が多数登場している。他方で、社会人を経験した後に奨学金を借りて進学する人もいる。船田亘さん(44歳・仮名)も、そのひとりだ。「大学と大学院の修士課程までの学費は、両親に出してもらいました。でも、卒業して就職、家庭を築いたあとに大学院の博士課程に戻ることにして。今さら両親に学費を出してもらうわけにもいかないので、奨学金を借りることにしました」