1. 2022/02/01(火) 14:46:44
■混乱した都市風景は日本の魅力でもある
【青木】ヨーロッパでは、建築家は大富豪のため、あるいは国家プロジェクトのために仕事をしますが、少なくとも戦後の日本では、建築家は小さい事業主というか地権者のために仕事をしてきました。そのため、日本ではバラック的なものが建ち並び、混乱した都市風景になった。町中、電信柱だらけで、空中には電線が蜘蛛の巣のように張っている。でも、私はそれが結構好きなんです。大きな権力ではなく、小さな権力の欲望でできている都市風景は、日本の魅力でもあるんじゃないか、と。ところが昨今、そんな有象無象が買収され、一つの資本にまとめられ、再開発されていく。日本的大富豪が生まれ、それが国家戦略と結びついて、彼らが思うヨーロッパ的な都市に変えていっている。
急ごしらえの美意識で都市をつくるのは、いつだって危険なことだと思いますね。
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日本の都市風景が再開発されていくことについて、建築家が警鐘を鳴らした。混乱した都市風景が魅力だったが、一つの資本にまとめられていると指摘。日本的大富豪が生まれ、彼らの思うヨーロッパ的な都市に変わっているとした