1. 2021/12/02(木) 00:14:55
ーー日本のおじさんはどんな孤独を抱えている?実際の声を教えて。
孤独を開示しない。恥ずかしいと捉える印象が強いですね。取材で話を聞くと、女性は趣味などの集まりにも行きますが、男性は家や図書館にいることが多い。その状態を楽しいと思う人がいる一方で、物足りなさを感じ、抑え込んでいる人もいます。
退職された方だと、社会で活躍した自分の孤独に「なぜ」と憤る方もいます。学校で先生だったある男性は、子どもたちのために何かをしたいがその場がないと悩んでいました。ある時、たまたまマンション内で見かけた、障害のある子どもの母親に何かお手伝いできることはないかと声をかけたところ、マンションの管理組合から、知らない人に話しかけないでくれと通達が来たそうです。
ーー家族に支えてもらうのはどうなの?
家族仲がよいのはいいことです。反面、支えてもらえるのは奥さんだけという人も少なくない印象です。孤独だからこそ何かに依存しやすい面もあります。個人的な考えですが、筋子ではなく蜘蛛の巣のように生きてはいかがでしょうか。筋子のようにぺったりと何かにしがみつくと、はがれたときに「実は一人だったんだ…」と感じてしまう。
それよりは蜘蛛の巣のように薄くてもよいので、複数の関係性を築いていくことが今の時代にマッチしている気がしています。会社や家庭はもちろん、地域、趣味、ボランティア。スナック、喫茶店、バーでもいいです。自分が心地よい場所ですね。
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12月特集は「現代の孤独」。高齢化社会の深刻化、生涯未婚率の上昇、そしてコロナ禍。今はひとりになりやすい環境にあるのではないだろうか。そんな中で「日本の中高年男性は世界一孤独なのでは―。」と警鐘を鳴らす女性がいる。