ドラマ「Nのために」観てた人！

[466. 匿名]

  (…☆)
『俺が幸せにしてやる。先に言ったもん勝ちだよ。』広田さんの言葉が胸に突き刺さる。 スカイローズガーデンへ向かう車中でも成瀬くんの気持ちは揺れ動いていた。今の自分には引き留めるほどの自信もない。『奈央子が無事なら、それでいい。』西崎さんの愛し方が脳裏をよぎったりもしたかな。決心はつかない。

惨劇の現場で吊り橋の向こうから…成瀬くんは、呼ばれなかった。
希美ちゃんからの願いは、安藤さんを守るために警察に嘘をつくこと。
すべては希美ちゃんのために。
罪の共有。相手にも知られずに、黙って身を引く。
安藤さんと幸せに…希美ちゃんとの永遠のサヨナラを引き受ける。

希美ちゃんは何も知らない。安藤を守ることが、成瀬くんを失うことだと。
今は夢中で、自分の重ねた失態が安藤の将来を奪うことから、ただ安藤を守りたい。
どうしていいかわからない混乱の中で、唯一自分が甘えられる大切な人に頼った。成瀬くんはすべてを引き受けてくれた。ただ…それと同時に、血塗られた成瀬くんの手から伝わったのは…成瀬くんの決別。

シャルティエ広田も辞め、携帯電話の番号も変え、何もかもをすべて消して、成瀬くんは希美ちゃんの前からいなくなった。
希美ちゃんが一番大切な人を一番残酷なやり方で傷つけて失ったのだと気がついたのは、きっと事件から後のことだ。
どうしたらよかったのかはわからない。
ただ、成瀬くんが希美ちゃんとはもう会わないことだけはわかった。
罪の共有。かつて自分が成瀬くんを守ろうとしたように。今度は希美ちゃんを守るために。
『杉下と俺は、今日会ったのも偶然…それでいいね？』
成瀬くんは希美ちゃんに会おうとはしない。おそらくは、もう二度と。永遠に。

然して成瀬くんは、10年の時を経て希美ちゃんの前に突然現れたのです。
希美ちゃんは本当にびっくりしたと思います。
『みんな一番大切な人のことだけを考えた。一番大切な人が一番傷つかない方法を考えた。』
一番大切な人を守ることとは、いつ何時も一番そばにいて大切な人だけを最優先にすること…とは限らない。事件後の10年間、成瀬くんは間違いなく成瀬くんの一番大切な人を一番傷つかない方法で守り続けていた。
『会いに来てくれて、ありがとう』　万感の思いを希美ちゃんは伝えています。