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ドラマ「Nのために」観てた人!

735コメント2016/12/31(土) 01:28

  • 409. 匿名 2016/12/22(木) 21:06:59 

    >>405さん、素敵です。キラキラしてる…。>>403ですが、共感だなんて恐縮です。なんだか自分はどんどん暗い方へ向いています。>>394でその輪郭をなぞらせていただいて以来、もはや成瀬くんの闇に飲み込まれそうです。ドラマ版と原作の違いのひとつがこの闇の描写であるとするならば、これはドラマ版の脚色にそっての考察です。ただ…もう自分があまりに苦しくて、nさん、みなさん、助けて…だからこそ、考察してはいけないのかもしれないと葛藤もしています。
    これをご披露させていただくのは私の甘えです。ある解釈のひとつです。嫌だなと思う時には立ち止まっていただけますよう、どうか慎重にお読みすすめください。

    同窓会で久しぶりに会えるかもしれなかった希美ちゃんとの再会は、まさかの父の葬儀。
    見つめあう二人に言葉はなくとも、成瀬くんは…おそらく他の誰の前でもしない無防備な表情を希美ちゃんにだけみせ、それまでの感情を失くしていた顔に瞬間、精気が宿る。
    自分の家族はもうこの世にはいない。突きつけられた天涯孤独という自分の運命に戸惑う成瀬くんが痛烈に自覚した。
    自分は杉下のために、生きていける。ただし…杉下がそれを望んでくれるなら。

    しかしこの後、東京に戻った成瀬くんは大きな虚無感に飲み込まれていきます。
    父の葬儀を通して一切姿を見せなかった母…この期に及んで何の連絡もない母の父に対する憎悪の深さ。それは息子に対しても然り。母は父だけでなく自分も切り捨てたのだ。今後一切、自分は母を頼らない。頼れない。だが一方であの日、フェリー乗り場で「一緒に行こう」と言ってくれた母に、心のどこかで期待する気持ちは当然捨てきれずにあっただろう。成瀬くんから母への複雑な愛情。
    葬儀の場で思い知った、狂おしいまでの自分から杉下への想い。しかし…だからと言って、当の杉下は自分に関心があるのかさえもはやわからない。
    東京の大学で励む自分に期待してくれた父という支えを失って、自分の存在価値が見出せなくて。
    都会の片隅でひとり沈み込む青年の孤独に、しかし、誰が気がついてあげられたのだろうか。
    自分の心の中に心をうずめて、自分の心は誰にも見せないで。成瀬くんほどの人が堕ちていく闇…隠している心の中…本当は、愛されたい。でも、もうこれ以上悲しみたくはない。そう、愛なんてはじめからどこにもなかったと思えばいい。無いものならばつかめるはずもないのだから。母にも、杉下にも、もう、誰にも期待しない…親父の罪も、それをかばって背負った自分の罪も…本当の寂しさは…何もかも忘れたい。

    7話。四阿で希美ちゃんに、『急に親父が死んで、何か、どうでもよくなって、大学にもバイトにも行かんなった』と話した成瀬くんの心は、あるいはこんな姿ではなかったかと思いました。

    その大きな心の闇は、さらに容赦なく成瀬くんを惑わせていきます。
    大学もバイトも、何もかもどうでもよくなってしまった。しかし、現実に家賃が払えない…お金がない!という危機に直面した時、悪いことだと知りながら、おそらく何度も戻れるチャンスはあったのに、そちら側へ引き寄せられることには抗えなくなっていた。
    あの夜、杉下邸で堕ちてゆこうとする希美ちゃんを全力で止めた、その成瀬くんが…
    彼が堕ちてゆくのを止めることはできたのだろうか。誰か…誰が?

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