ドラマ「Nのために」観てた人！

[358. 匿名]

>>307さん、今頃になってスミマセン。ありがとうございます。
土地勘のあるお写真はとても魅力的です。あの場所に軍艦が立ち寄ってしまうとか、海の夜の暗さとか！想像力では及ばない現実がNの世界をより広げてくれます。
お写真をヒントにこんな考察に導かれてみました。気に入ってもらえるかなあ。もらえるとええなあ(*^^*)。

第２話。あの日、本土の海辺で『野望かあ…』と切り出した成瀬くん。
『結婚した相手より、後に死ね』
島の堤防では『心開いてや！』と笑う希美ちゃんに最後まではぐらかした、成瀬くんの“生涯をかけたでっかい”野望。以来おそらくずっと成瀬くんは考えていて(成瀬くんて…そういう人ですよねw)、言葉を選びに選んでチャンスがあれば伝えたい…それは希美ちゃんを本土へ誘った目的のひとつでもあったんだな、と今だから思えました。
成瀬くんから希美ちゃんへの最初の告白だったんだなあ、って。

さざなみがなくなる。あまりの現実に『聞きたくもないし』と目を背け、自分の将来と向き合えないでいた成瀬くん。一方希美ちゃん『なんもない場所で、何もせんで、幸せって言い聞かせながら、狭い世界で人生終えるなんて、嫌よ。』富豪の話をし、水平線が見たい、バルコニーで演説したい…そんな成瀬くんにはおかまいなしに、その狭い世界をぐいぐい広げていきます。
野望の話は、希美ちゃんにとってはつまらん現実を忘れるための、ほんの戯れに過ぎなかったのかもしれませんが、父の店を継ぐ以外の将来を考えたこともなかった成瀬くんの世界を刺激するのには十分なインパクトを与えました。
『何か変わっとるな、杉下。』『野望に燃えとるだけよ』最初は自分とはかけ離れていた野望。でも、希美ちゃんとの日々のたわいないやりとりが、やがて成瀬くん自身に人生を問いかけていきます。
『ちっちゃいな。小学生かと思ったよ。生涯をかけたでかい野望でお願いします』
成瀬くんは答えません。
「生涯」を意識した。この時初めて脳裏をよぎったのはおそらく、いつか誰かと結婚する未来…誰か…それは、杉下？
希美ちゃんと会うようになって、ありふれた日々が輝きだした。このままずっとこうしていられたら…生涯をかけて…
『欲がないんやね？』『あるよ。むしろ欲まみれ』…(笑)。

本土での告白のあと、希美ちゃんの手を取るべく身体を寄せようとする成瀬くん。しかし希美ちゃんの返答に動きを止めます。
『成瀬くんも、私も、いつか誰かと結婚するんかな。…幸せやったらええなあ。』
希美ちゃんの見つめる未来に、自分はいない。いつか、誰かと…遠回しに断られてしまったショック以上に、成瀬くんはこの時はっきりと意識したはず。希美ちゃんはいつも遠くを見ている。その遠くは今と全くつながっていない。ないことにしてしまいたいほどに辛すぎる…希美ちゃんの、今。

島へ帰るフェリーで、成瀬くんの肩にもたれて眠る希美ちゃん。ついうっかり、でも、成瀬くんが一緒だからこそ、久しぶりに深く眠れたのではないかなと思う。おそらく家を追い出されてからずっと浅い眠りが続いていただろうと思うから。
そして、希美ちゃんを肩で支えながら何かを決意したような成瀬くんの表情は少し大人びている。大事な人がひどい目にあっている、そのひどい目の中身を本当に理解し始めたのだろう。
杉下を守りたい。希美ちゃんにも知られずこの日誓った、それがきっと、成瀬くんの本当の野望。

長文失礼しましたm(_ _)m