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4518. 匿名 2025/11/03(月) 22:02:28
>>4159
⚠️解釈違い ⚠️微🐚 ⚠️闇
⚠️地雷が無く本当に何でも許せる方のみ
🌫️境界の舞姫 ✿ 第五話
明け方、目覚ましのアラームよりも先に目が覚めてしまった。
朝練を心待ちにしているような自分に気付き、ほんの少しのむず痒さを覚えながら仕度を済ませる。
今夜から合同練習が始まるから二人きりでの練習はきっとこれが最後。
秘密の特訓のようなこの時間が終わってしまうのがなんだか寂しかったけれど、あれだけ振り付けに詳しいということはおそらく彼も踊り手のはず。
それなら合同練習や祭り本番でも会えるかもしれない。
だから、見納めというわけではないけど……と思いながらチラッと彼の顔を窺うと、あることに気が付いた。
「今日はなんだか顔色がいい気がする」
初めて会った時の儚げな印象と違い、生き生きとしているように感じられた。
「……分かる? 最近すっごく調子がいいんだ。きっと、君といるからだね。君の存在が僕に力をくれるみたい」
「えー、私何もしてないよ?」
リップサービスだとは思いながらも、その言葉は素直に嬉しかった。
私でも誰かの役に立てる、必要とされている──社会に出てからそれを感じたことは一度も無かったから。
「そう……その調子だよ」
彼に導かれるまま手と手を合わせ、指と指を絡ませる。
腰に回された彼の手が私を引き寄せる。
二人で踊るようなものではないはずなのに、まるでペアのダンスのように彼の動きに呼応していく。
別々に練習していたのが嘘のように上半身と下半身が連動する。
息が弾み、二人の鼓動が重なり一つになる。
心地良い充足感と疲労感が一気に襲ってきた。
「──大丈夫?」
足の力が抜けてふらついたところを彼が支えてくれた。
「うん、ありがと……」
あっ──と思った時には私はすでに彼の腕の中にいた。
閉じ込めるように、隠すように強く抱きしめられている。
突然のことに戸惑い、抗うようにその胸を手で押し返すも、目が合った瞬間に不思議と身体から力が抜けてしまった。
それを許諾とみなしたのか、そのまま彼の顔が近付いてくる。
……労るような、そっと触れるだけの口付けは、癒えることなく均衡を崩したままだった私の心ごと柔らかく包み込んだ。
それは、一瞬にも長い時間にも感じられる出来事だった。
唇を離した後も、またすぐに触れてしまいそうな距離を保ったまま彼が訊ねてくる。
「震えてるの? ……可愛いね。僕のこと、怖い? それとも……」
嬉しい──?
吐息混じりの囁きがくすぐったくて、頭の芯が甘く痺れたようにくらくらした。
「そ……そんなこと……」
ない、とは言えない私はどうかしてしまったのかな。
そんな私の迷いを見透かしたかのように、彼の目がすっと細められたかと思うと再び唇が重ねられた。
触れ合うだけだったものがいつしか境目など無くなるくらいに溶け合い、溜め息さえも漏らすまいと深く塞がれる。
さながら命でも分け合う儀式のように、私たちはその行為を幾度となく繰り返すのだった。
続く+26
-5
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4525. 匿名 2025/11/03(月) 22:12:40
>>4518
語彙力がなくてうまく言えないけど
好き━━━😇+14
-3
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4534. 匿名 2025/11/03(月) 22:22:13
>>4518🐚
わ…わァ……ッ(ほぼちいかわに)+13
-3
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4555. 匿名 2025/11/03(月) 22:40:05
>>4518
うっとり…🫠+13
-1
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4558. 匿名 2025/11/03(月) 22:41:34
>>4518
⚠️🐚
ひゃー😳ドキドキ♡+14
-3
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4808. 匿名 2025/11/04(火) 22:00:04
>>4518
⚠️解釈違い ⚠️微🐚 ⚠️闇
⚠️地雷が無く本当に何でも許せる方のみ
🌫️境界の舞姫 ✿ 第六話
役場近くの広場は賑やかな声と笑顔でいっぱいだった。
あの静かな川辺での朝練とは打って変わり、合同練習の場は和やかで明るい空気に満ちている。
私はというと、初めて彼以外に踊りを披露することへの緊張で、そわそわと落ち着かずにいた。
「あらー、上手じゃない!」
開口一番、会長の奥さんが目を輝かせて褒めてくれた。
照れくさかったけど、努力を認めてもらえたようで嬉しかった。
こんな達成感はいつ以来だろう。
「でも頑張り屋さんなのはいいけど、あまり根を詰め過ぎないようにね。朝早くに一人で練習してたでしょ? 邪魔しちゃ悪いと思って声はかけなかったのよね」
「えっ、見てたんですか!?」
どこを見られていたのかと一瞬青くなったけど、どうやら奥さんが見たのは私が一人でいるところだったようだ。
だから、彼の存在は伏せることにした。
……あんなことがあったからというのもあるけど、なぜだか自分の胸の内に秘めておきたかった。
「でも、若い子が踊るからかしら……。あなたの動きはなんだか優雅ね。いい意味で他の人たちとは違う気がするの。思わず見惚れちゃった」
「もう、褒めすぎですよ」
「ううん。私の祖母がね、かつては舞の名手と言われてたんだけど、なんだかその所作を思い出しちゃった。結婚前は巫女さんをしてたらしくて、神事の時なんかは神社で舞うこともあったんだって」
「へぇー」
「……あなたのこと、無理に誘ってしまったんじゃないかって気にしてたんだけど、思った以上に素敵に仕上がっていてびっくりしちゃったの。やっぱり私の目に狂いは無かったわー」
そう朗らかに笑う奥さんを見て、誘いを断らないで良かったと心底思う。
けれど私一人の力で成し得たことではないので、褒められることに多少の居心地の悪さを感じなくもない。
それでも、誰かの役に立てる自分がほんの少しだけ誇らしく思えた。
そして迎えた秋祭り本番──。
川を見下ろす高台に設けられた特設会場は、多くの地元の人や観光客で賑わっていた。
どこからともなく聞こえてくる太鼓や笛の音が否応なしに気分を高めていく。
踊りの装束を身に纏うと気持ちまで引き締まる気がする。
布を幾重にも重ねてあるのは“祈りを重ねる”という意味があるそうだ。
金糸で流水の模様が施された薄衣の装束は今の時期には少し肌寒いけど、動くと暑くなるのでこれでちょうどいいらしい。
ふと気付けば、人混みの中で無意識に彼の姿を探していた。
数こそ多くないものの男性の踊り手もいる。
その中にいるのではないかと思ったが、彼らしき姿は見えなかった。
……異変を感じたのは、風流踊りが始まってから少し経った頃だった。
続く+24
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