-
83. 匿名 2024/12/03(火) 21:02:02
アヤちゃんの目はその夏の光を受けて、輝いていた。全身の細胞には「これから生島さんと死にに行く。」嬉しさの匂いが漲っていた。いや、背中一面に墨を背負うた悲しみの匂いであったかも知れない。
「ほな、なんでそななそぞろ坊主みたいなまねすんね。そらアヤちゃんは、男の腐れ金玉が勝手に歌歌い出すほどの器量好しやわな。けど、あのアヤちゃんは――。」
――以上、『赤目四十八瀧心中未遂』車谷長吉 より
なぜか直木賞受賞作だけど、ほんとに純文学そのものだよね
一般受けする安易な美しさじゃない、
人生の苦しみを知り抜いた人の、研ぎ澄まされた命の文章だよ
「はだかで はをみがくと~」はVOWに載った名文だよね
こういうのを文学用語で「プレザンス」ていうんだけど
『赤目四十八瀧心中未遂』に通ずる、リアルを描く才能を感じる+0
-1
削除すべき不適切なコメントとして通報しますか?
いいえ
通報する