ガールズちゃんねる
  • 14588. 匿名 2024/05/09(木) 04:59:26 

    >>13275
    仮初めの友よサヨウナラ 🐚微

    雷鳴が轟き、身が竦む。
    「大丈夫だ。」

    暗闇の中、悲鳴嶼の指が唇に触れる。

    ──────

    中学生の時だった、ほんのはずみで悲鳴嶼と
    ぶつかって唇が触れ合った事がある。

    キスなんて言える様なものじゃない。
    本当に触れただけだった。
    だけど私にとっては、初めて異性の唇が重なったファーストキスだった。

    「気にするな。事故みたいなものだ。」

    咄嗟に、悲鳴嶼が俯く私にそう言った。
    私を気にさせまいと、気遣って出た言葉だと分かった。

    だけど、その時私は初めて自分の気持ちに
    気づいてしまった。

    悲鳴嶼が好きなのだと。

    本当は、何となく気づいていたけれど形にしようとしなかった気持ちの輪郭がはっきりしていく。私は慌ててそれを掻き消そうとした。

    私は、恋や愛が儚い事を知っている。
    両親がずっと不仲で、私が成人したら離婚の約束をしている事を知っていたから。

    だから私は悲鳴嶼との友情を選んだ。
    友情からずっと離れずに彼の側に居られるんじゃないかと、中学生の幼かった私は期待した。

    「好きです。」
    告白を受けて、誰かと付き合う度に悲鳴嶼は祝福してくれた。
    私は私を好きだと言ってくれる彼らに向き合って、幸せになろうと努力した。

    それから、色々な要素で別れを選択してまた誰かが自分を求めて付き合って別れて。
    「悲鳴嶼と俺とどっちが好きなの。」
    「本当は悲鳴嶼と何かしてるんじゃねぇの。」
    「悲鳴嶼はお前の事が好きなんじゃないの?」
    そんな事を言われる度に、否定して本当にただの親友だよという度に胸がチクリと痛んだ。

    悲鳴嶼が大学からは県外行き、その間にも彼氏はずっと絶え間なく居るのに満たされなかった。
    自分を女性として求める人は絶え間なく現れてくれるのに、私が求める人の気持ちは決して自分に向くことは無い。
    でも、それでいい。だから私たちの友情は続いているのだから。

    「君に紹介したい人がいる」

    +25

    -3

  • 14589. 匿名 2024/05/09(木) 05:00:31 

    >>14588 切れました💦

    初めて悲鳴嶼が私に相手を紹介すると言ってきた。会ってみたら優しくて良い人だ。
    彼の友人なのだから間違いない。

    だけど、彼もやっぱり今までの人と同じ事を口にした。
    だけど、今までとは一つだけ違った。

    「ガル子ちゃんは悲鳴嶼のことが本当は好きなんじゃ無いの?」

    悲鳴嶼が私の事を好きなんじゃ無いのかと問い詰めてきた男性は沢山居たのに、初めて私が悲鳴嶼の事を好きなんじゃ無いかと指摘した。
    内心慌てながら、冷静なふりをしてまさか、友情なんだと否定した。

    モブ澤はそれから悲鳴嶼の事を聞いてこなくなった。けれど、それからいつも会う度に激しく執拗に私を抱く様になった。

    +24

    -3