【2次元】鬼滅の刃で彼氏にしたいキャラPart16【妄想】

[13506. 匿名]

>>10968
無事に書き終われるか不安ですが、お題ワードの魅力に釣られて書いていきます。
⚠️過去については、大幅に捏造です
⚠️何でも許せる人向け
⚠️最初の舞台は明治40年（🐍様は満12歳）。義務教育期間が延びる境目の年代なので注釈をつけると、高等小学校3年は小学校令改正後でいうと高等小学校1年（満12歳スタート）にあたります。

『初恋薊、其は奸計の秘鑰』
1
明治四十年、穀雨。
「ガル子、良いところに来た」
高等小學校󠄁から、師範の邸に寄るなり、そう言われた。
師範は私の育手だ。今は片目を失っており、もう片目もそれほど見えてはいない。
鬼殺隊士を目指す者は、育手と生活を共にすることが多いと聞くが、私は自宅から高等小學校󠄁に通い、終わったらここに来る。刀や呼吸を習い、目の不自由な師範の代わりに食事の準備を済ませ、そして帰宅するのが日課だ。

「？、いかがされましたか、師範」
「お前に頼みがある」
「？、はい、何なりと」
「今日から、ここで一人預かる。私はほぼ盲いて、その子の慣れぬ生活の助けになれん。暫くこの家に住み込んで、ここから學校へ通ってはもらえんか？」
生活も助けてあげられないのに、何故一人預かるのかしら。師範とその子、二人とも不自由するじゃないの、とは思ったけれど、何か事情があるのだろう。

そう考えると、断れない。基本的に、私はお節介なのだ。
師範は両親の育手でもあった。言い換えれば、師範の言うことに、両親は逆らわないので、親の意思は確認せずに引き受けていいはずだ。
「はい、師範。仰るとおりに」
畳に手をつき、頭を下げる。

＊＊＊

「では小芭内、こちらへ」
その子の華奢な体躯や首元の蛇より、廊下側ではなくおつぎ（※次ノ間）の襖が開いたことに驚いた。師範はいくら弟子でも、初めて来た子を「家来が控える間」に通す人ではない。実際、あの部屋はほぼ物置だ。
あの子が「自分から」おつぎに居ることにした？
（控えめな子なのね、気をつけないと）
俯き加減のその子に、下ばかり向かせてはいけない。なんたって私は姉弟子だものね。

[13544. 匿名]

>>13506
好みのお話来た！
楽しみです！でも無理なさらずに💦

[13772. 匿名]

>>13506
2
「この小芭内がお前の弟弟子になる」
（あら、男の子だったの。間違える前に聞いて良かった）
間違えられたら悲しいだろうし、男女で接し方は変わってくる。失敗する前に知れて助かった。
「はい。───ガル子と言います、……」
それ以上、何も言えなかった。
初めてこちらに向けられた、左右の色が違う瞳は、明らかに私への嫌悪を湛えていたから。

何故嫌われているのかは分からないが、なんとか程良い関係を築かなくては。
學校と同じで、大人は同年代の子どもを同じ空間に入れておけば、気質がどうであれ、それなりに仲良くなると思っているのだから。上手くいかなかった経験くらいあるだろうに、それを忘れて。

＊＊＊

自宅から私の荷物を持った使用人が来た。小芭内がそれを見ている───襖の向こうから。
（こちらに来れば良いのに）
「他にも必要な物がありましたら、すぐ持って参ります」
ふと思いついて振り返る。
「そういえば、小芭内は學校󠄁はどうするの」
「……行ったことも行くつもりもありません」
「では教育は」
「、俺の学は貴方には関係ないと思います。それから學校は邸の外なのだから貴方が気にする理由はない」
（面倒な子ね）
我慢強くない性質の私は、この時点で早くも、探り探りの遠慮を放り出してしまった。

「學校に行くなら道順を教えようと思ったの。異性と通うわけにいかないから。それから、隊士も少しは学が必要よ。貴方は鬼殺を学ぶここで、それが私に関係ないと言うのね？」
唱歌や図画はともかく、鬼殺隊士は相応に整った書式の報告書も記すと聞くし、距離や時間や数を把握したければ多少の算術も必須だ。そもそも給金の扱いや買い物はどうする気だ。要らないとしたら、元の頭の出来が良いことと、他人が常に世話を焼いてくれることが条件になる。
「、……失礼、しました」
小さな、謝罪。
捻くれているのか、素直なのか。
（違うな。私に関わりたくないから、揉めないようにしただけ）
揉めることは、余計に煩わされることだから。

鉛筆と紙を用意して使用人に告げる。
「では、ここに書くものを。嵩張るから、一度に持って来る必要はありません。急ぐ順に書きます」
「承知致しました」

[14191. 匿名]

>>13506
栞させてください！🔖

[14518. 匿名]

>>4623
【コソコソ裏話】
>>13506
『初恋薊、其は奸計の秘鑰』にお付き合いくださった方、プラスやコメントをくださった方、ありがとうございました。無事に完結できました！

タイトルで意味があったのは、「初恋薊」と、「環形」に繋がる「関係」をこっそり作って驚かせる。そんな主人公ちゃんの「奸計」の部分だけでした。
「秘鑰」にはこれといって使った意味はなく、明治時代、インテリ系の若者がハマったという『厭世詩家と女性』（北村透谷著、1892年）の冒頭、「恋愛は人生の秘鑰」から。恋愛そのものに囚われるキメダンはいなさそうだからこそ、使ってみたかったのです。

話の軸は🐍様と主人公ちゃんの成長と恋愛というつもりで書いています。
🐍様が苦手に思いそうな、気が強くて仕草と言葉が女の子っぽすぎる（言葉は流行ってたせい）主人公ちゃん。主人公ちゃんから見れば、異性な上に打ち解けにくくて面倒な🐍様。
そんなお互いに第一印象が良くない二人が、今の時期の「立夏」をメインに、芒種や孟冬やら、二十四節気が巡るごとにゆっくり変わっていくベタな話───のわりに長かったな！？

長さでいえば、共に暮らす一年の話にして、七十二候全てをそれぞれ5〜10行とかで書こうとしていたのですが、例えば「処暑」が「天地始粛」になると、あまりに主人公の雰囲気が変わるのと、七十二候をだいぶ忘れていて無駄な手間がかかって断念しました。腕を上げて、いつかどこかで……やれる気がしません。

他に思い入れがあるのは、枇杷の花（の香り）でしょうか。🐍様の香水はトップノートがシトラスとグリーンとミント（作中では最終話にこっそり登場）。真逆な甘い香りとして枇杷の花を出しました。
枇杷の実そのものよりもフルーツみたいな、主張の強い香りは、甘いけどハッキリしている主人公ちゃんっぽいかな？と。

🐍様もですが、夕庵の過去や名前の由来も捏造です。鬼滅キャラは烏もお名前が素敵だから出したかったのと、ガル子がものを教える仕事に就いて、それが再会のきっかけになって欲しかったので足しました。
夕庵の話し方も烏語も分からないし、地味に苦戦しました。違和感があったら申し訳ありません。

[14550. 匿名]

>>13462
今トピもまとめの場をありがとうございます🍀
祭り参加なんかはあまり出来ませんでしたが、たくさん萌えて悶えて笑って墓入りして過ごせました。出会えた全てのガル子さんに感謝します🐦‍⬛

長文・SSなど（お題柱様に感謝！）
>>814 ❓お題「書きたいとこだけ書いてみた」『横行闊歩』
>>2502 ⚡️（＆育手様）お題「月が綺麗ですね」『月に桜、陽にミモザ』
>>2990 🍃お題「最後溺愛される契約結婚」『憧れ焦がれ、賭け仕掛け』
>>6385 🐗お題「書きたいとこだけ書いてみた」『栗鼠の餌付け』
>>10149 🍃（&❓）お題「Part16の供養」『What a pity it isn't sunny.』
>>10943 🍃（&❓）お題「Part16の供養」『料理は大人のおままごとだから』
>>13506 🐍お題「初恋薊」『初恋薊、其は奸計の秘鑰』
（今トピ、🐚書きそびれてますね……）

その他
>>6402 🍃『憧れ焦がれ〜』コソコソ裏話
>>6344 🐗お題「マイナス思考ガル子」
>>6426 🎴お題「マイナス思考ガル子」
>>7752 👺お題「キメダンムービー🎬」
>>7792 🐗お題「イタズラ電話」
>>8241 🐗お題「明日世界は終わる」
>>12117 🐍お題「起きたら子どもガル子」
>>12178 🐗お題「起きたら子どもガル子」
>>14518 🐍『初恋薊〜』コソコソ裏話

⭐️トピ終了まで、コメ返とPPC＆KKCに勤しみます。
どこかでコメントくださった方、お礼に伺いたいです！
もし可能ならまとめか作品のレス番を教えていただけると大変嬉しいです。

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