ガールズちゃんねる
  • 11163. 匿名 2024/05/03(金) 13:19:58 

    >>482お題
    「お茶」

    八十八夜は先日終わっちゃったけど、推しとゆっくり新茶を味わいたい🍵🍡🍘

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  • 11233. 匿名 2024/05/03(金) 16:40:37 

    >>11163
    十六茶でお願いします

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  • 13696. 匿名 2024/05/07(火) 16:48:29 

    >>11163
    「お茶」 🐰⚠️老後

    すっかり桜も散ってしまったな。
    ───ええ、でも今年も錆さんと桜が見られて幸せだわ。
    そんな会話をしたのはとうの昔。

    「お茶を淹れてくれないか」
    「新茶をこの前頂いたの!それにしましょう」
    庭を彩る新緑の葉のように、鮮やかな色のお茶を淹れてくれた。
    「…錆さん。あの時、私を助けてくれてありがとう」
    この時期になると、鬼に襲われそうになったあの夜を思い出すのだろう。
    俺は黙って手を握り、もう大丈夫だ、と安心させた。

    「…ガル子。お茶を淹れてくれないか」
    当然、応えはない。
    ガル子がまだ元気な頃に、茶の淹れ方を教えてくれた。
    ガル子が病床に臥せるようになってからは、俺が淹れるようになった。

    「いい香り…。はぁ…美味しい。錆さんが淹れてくれるお茶は美味しいわ」
    俺が淹れた茶は、いつも濃すぎて美味くないのに、美味しいと笑顔を見せた。
    男が茶なんか淹れられるか!と、怒鳴った事もあった。
    なんて小さい男だったのだろうと、若き日の自分を恥ずかしく思う。

    今年も新茶の季節だ。
    揃いの湯呑みに茶を注ぎ、縁側に独り、腰を下ろす。
    誰もいない左側に赤い湯呑みをことりと置いた。

    ───錆さんが淹れてくれるお茶は美味しいわ

    そんな声を心の中で反芻して、孤独を紛らわせた。

    自慢の宍色の髪もすっかり白髪だ。
    「お前の白髪になった姿も、見たかった」
    茶をすすり、良く晴れた天を仰ぎながら独り言ちた。

    ───もうすぐだ。俺もあと数年でお前の所に行く。
    待っててくれるよな?俺の女なら。

    そんな事を思いながら、濃くて苦いだけの茶を飲み干した。
    ガル子が淹れた茶が飲みたい…。
    やはり俺の淹れる茶は、どうも美味くない。

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