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273. 匿名 2023/05/13(土) 12:27:17
長文失礼…
15年余り前、補聴器販売店に勤めていたときのこと。
売上の成績が悪いと、容赦なく解雇されるような会社だった。
補聴器は高価だし、ニッチな業界だしで、なかなか売れるものではなかった。
2年弱勤めたところで、会社本部から「あなた売れてないから解雇ね。担当者交代の、お客さんへの連絡はしないように。この会社がお客さんを見るんだから、店員個人は関係ないから」と連絡があった。
1店舗1人、という体制で、お客さんとの関係を築いてきたのは私、という自負はあったので、会社指示に背き、お客さん1人1人に、手書きで担当者交替の挨拶状を送った。
8月の、残暑厳しいさかりだったにも関わらず、何人ものお客さんが「ハガキありがとう」「お世話になったね」と挨拶に来てくれたり、写真が趣味、という、とあるお客さんが、A4サイズの厚紙に印刷した、海沿いを走る列車にかかった虹の写真と、雨に打たれたひまわりの写真を持って来てくれ、「このひまわりはあなただよ。どんなときも、希望を失わずに、頑張ってね。よかったらこの写真、持ってて」と、プレゼントしてくれ、思わず嗚咽するほど泣いてしまった。
入社前研修で指導してくれた他店の人に、会社本部から解雇予告をされたことと、お客さんが挨拶に来てくれて励ましのお言葉やらプレゼントをいただいた、と電話したら、「ガル井さんが、それだけお客さんとの良い関係を築いていたということだよ。あなたを指導できて良かったと思ってる」と言ってくれて泣けた。
どのお客さんも、売れてないからチェンジ(解雇)、という事情を理解して、励ますために来てくださったんだと思う。
あのときの写真は宝物です。
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