ガールズちゃんねる
  • 295. 匿名 2022/08/18(木) 23:44:35 

    「借りた靴」


    俺にはFという知り合いの女がいる。はっきり言ってブスなのだが、かえって自然に話ができたため、いつの間にか一方的に俺は彼氏扱いされていた。先日雨の夜にいきなり自分の家に来て、傘はさしていたが靴が濡れてしまって気持ち悪く何か靴を貸してほしいと言ってきた。図々しい女である。水たまりにでも突っ込んだのだろうか?仕方ないので使わなくなった古いスニーカーを貸すことにした。サイズが合わず大きめだったようだが、喜んでそれを履いて彼女は帰った。

    その後靴を返したいと電話があったが、この女はブスの上に太っておりもともと好きではなく、勝手に懐かれただけだった。前みたいに何かとあてにされて迷惑なので、いつかはっきり言おうと思っていた。お前は嫌いだ、それを返したらもう来ないでくれと言ったところ、ショックを受けたようだったが素直に聞いてくれた。

    「・・・そうだよね、何かそんな感じしてたんだ。今までごめんね」

    「靴は返せよ」「待って、ちょっと私まだ気持ちが整理できなくて・・・」「靴は返せよ!!」「わかったわかった、また後で掛けるから。じゃあ」

    次の日また電話があり、これから返しに行くと。ただ俺と顔を合わせたくないので、近くの電柱の下に置いて帰るとのことだった。変な話だし誰かに持っていかれたらどうするんだと思ったが、安物のスニーカーだし、きついことを言った手前、まあそれくらいいいかと。夜の12時ごろまでに持って行くので取りに来てくれとのことだった。

    12時を過ぎたので俺はそこへ向かった。暗がりであったがすぐ近くの電柱と言えばそこしかなかった。なるほど、街灯の元見慣れたスニーカーがそこにはあった。乱雑な置き方で、本当に最後まであいつは・・・と思った矢先、上から何かボタボタと粘液が首筋に伝った。

    「!!」

    思わず見上げたところ、そこにはFの首吊り死体がぶら下がっていた!!目玉が飛び出し、口からも何かが伸び出ている、それが街灯に照らされ、まさにこちらに向かって異様な陰影で睨みつけている!!

    「ウワああア!!!」

    腰を抜かしてそこから立ち去ろうとした矢先、体重で首がちぎれたのか胴体が落下し俺に覆いかぶさってきたドスッ!!!

    「グぐあああああッ!!・・・」

    なんだこの重さはこの臭いはこのヌルヌルはこのネバネバは!!苦しいので顔だけ出した。すると時間差で今度はあいつの首が目の前に落ちてきた!!ビチャッ!!はねた液体が顔にかかる。血にまみれた化け物の顔がすぐそこに。髪の毛がぐちゃぐちゃだが目が見える!!そんなもの見ない合わせない。いったいこれは地獄での出来事なのか?!ここは俺の家の前だったはずだ!!いい加減俺も逆切れ気味に、おいなんなんだこれは!?なんであいつはここまで・・・恐怖が裏返ったその不可解な感情を最後に俺は完全に力が入らなくなり、そこからの記憶がなかった・・・

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