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6440. 匿名 2015/05/18(月) 22:12:39
番長さくら家鋪
むかし、上方の番町のあるお屋敷に、さくらという、あまり器量のよくない腰元(こしもと)がいました。
お屋敷にはいく人もの腰元がいましたが、殿さまのやしきたかじんは、あまり学のないさくらを不憫に思い、アシスタントマネージャーという名目で使ってやろうと決めました。
ほかの腰元は、美人で気のよいものばかりでしたので、いつもこのさくらという腰元に嫌がらせを受けていましたが「それでも、たかじんさんが選んだ人だから」と、一人、また一人と殿さまが知らぬうちに身を引いていきました。
ほかの腰元をおとしいれただけではあきたらず、さくらは殿さまが大事にしている絵皿を、自分のものにしようと思い立ちました。このお皿は先祖(せんぞ)からつたわる家宝で、一まいかけても、価値がなくなってしまいます。
ある日、殿さまがひさしぶりに絵皿を眺めてみると、九まいしかありません。
さっそく、さくらをよびつけて調べると、
「そのお皿なら、Kマネが一まい割ったのです」
と言うので、殿さまは、さくらをきびしくしかりました。
「自分が割ったなら割ったと、正直に言えば許してやる」
「いいえ、わたくしには、まったく身に覚えがございません。何かのお間違えです」
「えーい! 寛大に許してやると言っておるのに、まだ言い逃れをするつもりか!」
「でもわたくしは、何も知りません」
「まだ言うか! 顔も見とうない! 出て行け!」
かわいそうに、さくらはその晩、屋敷の井戸(いど)に殿さまを投げ入れて、殺してしまいました。
さて、それからというもの、ま夜中になると、屋敷の井戸の中から、
「一ま~い、二ま~い、三ま~い、四ま~い、五ま~い、六ま~い、七ま~い、八ま~い、九ま~い、・・・ああ、うらめしやぁ~」
と、あわれきわまりない声で、お皿を数える声が聞こえるのです。
そして、お屋敷にはよくないことが続いて、さくらという腰元にいいようにつかわれていた作家や制作会社のものたちが次々と死んでしまいました。
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