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2465. 匿名 2021/09/29(水) 15:07:43
急な下痢の時はトイレのことしか考えられない。
平静を装いながらも冷や汗をかきながら近くのコンビニまで早足に歩いていく。
ようやくコンビニのトイレの前に立つ。すると、2つあるトイレに両方先客が入っていて絶望する。「チッ、、」と心の中で舌打ちをする。
とりあえずは先客がすぐ出てくれることに期待して待つことにする。
この時すでに腸は限界に近く、お腹はときおりギュルギュル鳴っている。トイレの鏡に映る自分の顔を見ると、血の気がなくげっそりして見える。
10秒、、20秒、、30秒、、、まだか、、!
40秒、、クソ、、っっ!!
トイレのドアの前で意味もなくスマホを見てなんとか気を逸らそうとしているが、スマホの内容など頭には入ってこない。猛烈な便意だけが身体を支配していた。
いつまでクソしてんだこいつら!!早く出てこい!!
もう完全に思考は自己中になっている。早く苦しみから解放されたい。それだけだった。
引き寄せの法則、、ふとその言葉が脳裏に浮かんだ。
なぜかというと、私は引き寄せ歴15年の引き寄せ実践者だったからだ。
伊達に15もやっているわけではなくて、その日食べたいものくらいなら、すぐに引き寄せられるようになっていた。わたしには引き寄せができるという自負があった。
私は今すぐトイレに行くことだけを考えてるのに、なんでそれを引き寄せられてないだ!
引き寄せの法則に信頼を置いている私は、神に見放されたような気分になっていた。便意の前に人はこうも簡単に精神を乱すものなのか、、
そうこう考えるうちにもう3分は経ってるぞ、、さすがになんかおかしくない、、?
誰もいないかのように無言を貫くトイレの先客たちに若干の気持ち悪さを感じつつ、私はそのコンビニを諦め、足早に外に出た。
今すぐにでも苦しみから解放されたいが野グソだけは嫌だったので、マップで次のトイレを探す。
次は近くの公共施設を目指した。さすがにここは空いてるだろう。
その距離およそ500m。とんでもなく長い道のりに思えた。1歩1歩歩くたびに気持ちが悪かった。
ようやく公共施設の多目的トイレにたどり着く。結構綺麗で広めのトイレだ。
私は苦しみから解放された。
〜その日の夜〜
「臨時ニュースをお伝えします。○○県○○市のコンビニのトイレで女性2名の遺体が発見されました。警察は殺人事件と見て調査を続けています」
つづく
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2474. 匿名 2021/09/29(水) 16:55:13
>>2465
読みやすかったよ
小説家目指してるの?+1
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