ガールズちゃんねる
  • 1225. 匿名 2016/07/22(金) 01:37:16 

    お竜とて、海斗の気持ちに全く気づいていないわけではなかった。

    幼少の頃より、兄のごとき穏やかな眼差しで自分を見守ってくれていた海斗。
    しかし、その眼差しの中にいつしか一人の男としての全く別の感情が宿っていることに、お竜は気づかないふりをして海斗に甘えてきたのだ。

    マタギと恋仲になったことを、海斗には伝えねばならない。
    背伸びするつもりで安売り(セール)で何とか手に入れた留部断の高下駄(ハイヒール)ではなく、故郷にいた頃の自分になれる手編みの草鞋を履いて、お竜は海斗のところへ向かった。

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