ガールズちゃんねる
  • 1021. 匿名 2016/07/21(木) 04:27:51 

    「あの…マタギ先生…」
    お竜がそう言いかけると同時に、マタギはすっくと立ち上がり、振り向きもせずにこう問いかけた。

    「お竜、その勾玉の耳飾り、どこで手に入れた?」
    「え?これは…田舎からこっちに出てきた日に町でお公家さんみたいな美しい女性に声を掛けられて。この都会で生きていくためにはもっと強い力がいる、二束三文で譲ってあげるからこれをつけなさいって。そうだ、あの方のかんざしに百合の紋章が彫られてたわ」

    「百合の…?」

    マタギは一瞬顔を曇らせ、こう続けた。
    「その耳飾りには、よからぬ力があるようだ。 持ち主とそれに近づいた者を惑わせるあやかしの力が。いいか、2度とつけるな」

    「あたい、何やってんだろ…」
    くの一になるために田舎から出てきたのに、こんなものに頼って先生を誘惑しようとするなんて。
    お竜は放心状態のまま、玄関に転がった高下駄(ハイヒール)を眺めるのだった。

    衣装協力 舎根留
    内装 似鳥

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