1. 2016/11/15(火) 16:52:43
被害男性は3日後に息を引き取った。その後、行政処分で刈谷さん個人に80万円の罰金命令。さらに会社と被害者側で慰謝料交渉が行われたが、提示されたのは1億2000万円もの金額だった。
「会社は遺族に言われた金額をそのままのんだのだと思います。分担は会社側が4000万円で、私が8000万円。私が会社の倍負担なのは『ゲームをしながら運転していたオマエが悪い』という理由です。私が悪いのは事実ですし、反論する冷静さもなく、受け入れました。いま思えば、社用車なので自賠責保険に入ってたはずですが、確認できずウヤムヤです」
そこから生活は一変した。
「姉夫婦の家に居候させてもらい、転職した会社の手取り月22万円のうち、最低限の食費を差し引いた20万円を返済に充てています。服は、ホームセンターで肌着を買うくらいですね。3着で160円に値引きされることがあるので、そのときに。他はありものです」
3年間で約600万円の返済をしたが、まだ先は長い。
「自分を戒める意味でも、全力で返済を続けるしかありません」
ゲームをしながらの、わき見運転による事故が取り沙汰されている昨今。決して他人事ではない。
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生まれ育った地元で、配送トラックのドライバーをしていた刈谷保さん(仮名・49歳)はそんな「借金一億円」を背負ってしまった人だ。 彼の人生は、3年前のある日急転した。 「まだ人通りのまばらな朝6時頃、いつもの配送ルートを運転していました。そのとき、ハマっていたスマホゲームのアプリをつい開いてしまったんです。それが間違いの始まりでした」 片手でスマホを操作しながら、交差点の信号が青になったところで右折。その瞬間、助手席側に「ゴツッ」と鈍い音が響いた。 「頭から血を流した男性が倒れていました。横断歩道内にまだ人がいたことに気づかずに走り始めてしまったんです。サイドミラー