1. 2025/07/24(木) 10:35:47
「誰にも頼ることができず、年金も満足に貰えず、それでも地域で暮らす高齢者が増えていくことは間違いない」。明治大学専門職大学院ガバナンス研究科教授の大山典宏氏はこう危惧する。団塊世代の全員が75歳以上になった今年。生活保護世帯のうち65歳以上で構成される高齢者世帯の割合は55.4%と、日本の高齢化率(29.3%)より相当に高い。
さらに、今後10年の間で懸念されるのが、「就職氷河期世代」の高齢化だ。彼らの多くが低年金・無年金状態となり、「巨大な集団」として現れることになる。このままの状態を放置すれば、生活保護の利用者が爆発的に増えることは明らかだ。
(中略)
「セーフティーネット」の改革も必要だ。生活保護の「一つ手前」のセーフティーネットとして15年に施行された「生活困窮者自立支援制度」をいかに機能させられるかも重要なファクターである。(略)
「相談者の中には、雇用保険や障害年金など、生活保護に至る前のセーフティーネットの仕組みを十分に理解・活用できずに困窮状態に陥ってしまった人も少なくない。利用者が『窮地に追い込まれて初めて相談する』という状況は改善するべきであり、早期的・包括的な支援を掲げる生活困窮者自立支援制度を機能させることは法律上、自治体の責務だ」
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約10年後、就職氷河期世代は高齢期を迎える。その時、日本が直面するのが「貧困の高齢化」だ。