1. 2024/10/15(火) 23:10:08
彼が目指していたのは、ブラジルの太陽の下で、シックスパックの腹筋を輝かせながら颯爽(さっそう)とビーチを歩く、ありえないほど魅力的な男たちの容姿だった。
ネットで検索すると答えが見つかった。超高精細脂肪吸引だ。洗濯板のような腹筋を約束するこの施術は、ブラジルでいま急激に人気が高まっており、美容整形界に変革を起こしている。もともと同国は業界屈指の美容外科医を数多く輩出し、世界有数の整形率を毎年記録している。
(中略)
2022年11月、カルヴァーリョはこのムーブメントに加わった。クリニックを訪れ、メニューにあるほぼすべてをオーダーした。フェイスリフト、あごの整形、超高精細脂肪吸引、そしておそらくはひそかな楽観を込めて、精管結紮術(せいかんけっさつじゅつ)を受けた。総額は約1万ドルになった。
それから1年以上がたったいま、カルヴァーリョは16歳年下の女性と交際中だ。
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ジュニオール・カルヴァーリョの人生にほころびが生じたのは2022年春のことだった。29年間連れ添った妻から離婚を切り出されたのだ。 ワンベッドルームの質素なアパートに引っ越し、子供たちと会う機会も減った。食べすぎ、飲みすぎ、テレビの見すぎの生活を送った。 52歳にしてすでに老いを感じていた。