1. 2024/09/15(日) 10:13:55
「私が死にたい気持ちを優先するのがエゴなのか、生きてくれと頼む両親の気持ちがエゴなのか。その狭間でずっと悩んできました。しかし、私は死にたいのです」
出典:newsdig.ismcdn.jp
「やっと楽になれる」
■涙ながらに致死薬を口に 強く手を握る父親
父が娘の手を握り、目を真っ赤にしながらもその最期を見届けようとしていた。
くらんけさんはその時ふいに、痛いほど自分の手を強く握る父親の気持ちを想像して、いたたまれない気持ちになった。さらには日本に残してきた母親や2人の姉、かわいがっていたペットの顔が走馬灯のように甦り、急激な罪悪感に襲われた。それ以上、涙でむせて、致死薬入りの液体が飲み込めなくなった。
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異変に気付いたプライシック医師が、泣きじゃくるくらんけさんに尋ねた。
医師:「どうしたの」
くらんけさん:「私は両親や家族を無視することができません」
医師:「ストップして。あなたはお父さんと一緒に家に帰るべきよ。あなたは心の準備ができていない。今、死んではいけないわ」
くらんけさん:「ごめんなさい」
医師:「大丈夫。あなたは両親にこんな仕打ちをしたくないと思っているのよ。とても勇敢だわ。運命があなたにもう少し生きることを望んだのよ」
くらんけさん:「はい」
その瞬間、父親は嗚咽しながら、娘を目一杯の力で抱きしめた。
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完治の見込みがない難病と闘い続ける日本人女性・くらんけさん(仮名、当時30)は、安楽死するためにスイスにやってきた。これまで抱えてきた心のうちを医師に明かした。