1. 2024/09/02(月) 10:39:12
被告は介護に専念するため、シルバー人材センターでの仕事をやめた。事件直前の携帯電話の未送信フォルダーには「限界です」と書かれたメールが残されていた。ある日の夕飯後、妻がいつものように「財布を返せ」「浮気しているんじゃないか」と被告を問い詰めた。「相手のところに行く」と興奮した様子で外に出ようとしたのを必死に止め、寝室のベッドに座らせた。
それから4時間以上、支離滅裂な内容を繰り返し責め立てられた。「静かにしてほしい」。気がつくと右手が妻の喉をつかんでいた。あおむけに倒れ込んだ妻の首を両手でつかみながら、近くにあった血圧計の電源コードでさらに締め付けた。
我に返った時には、妻は動かなくなっていた。被告は隣のベッドに腰かけて酒を飲みながら、横たわる妻の顔を見つめていた。「自分だけが生きているのはありえない」。台所から牛刀を持ってきて自分に突き刺そうとした。しかし、踏ん切りはつかなかった。(略)
事件に至る経緯を聞き終えた検察官は、被告に「なぜ殺したのか」と動機を追及する。被告はこう答えた。
「妻は元々理路整然としていて、グループがあればリーダーをやるような人。それが自分のやっていることが分からなくなるようになったのが、すごくかわいそうに感じてしまいました」
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80歳の夫が、介護していた85歳の妻を殺害した。妻を手にかけた後、自身の命も絶とうと考えたが果たせなかった。家事を一手に引き受け、献身的に尽くす日々が続いた末に起こした事件だった。