1. 2024/08/02(金) 19:07:10
■「イヤよイヤよも好きのうち」はもう終わりに
誤解しないでほしいのは、ちゃんとした意図と理由がある必要な濃厚シーンを、西山さんは全く否定しない。問題なのは、意図も理由もない濃厚シーンが、男性側に都合よく描かれがちであること――俗に言う「イヤよイヤよも好きのうち」が多すぎることだ。
「例えば、男性が『しよう』と行為を切り出すけれど、女性はしたくないから断る。それでも『いいじゃん、お願い』としつこく迫られて面倒になり、『5分で終わらせて』という気持ちで応じてしまう。それは実のところ同意とは言えないんだけど、身体の反応で『自分も楽しんでる=同意』とされてしまう。『やりたくないのに受け入れてしまった』という体験を持つ人は、性別にかかわらず多いと思います。それを『やりたかった』かのように映像化してほしくないんですよね」
■コンドームを映す場面が1度はあってほしい
「情報の取捨選択が未熟な若い世代に対して、ドラマや映画が『この2人は一足飛びにベッドで性的な行為をしてる、それでOKなんだ』とか『イヤでもそういう状況だったら受け入れなきゃいけないんだ』と刷り込むことになりかねません。若い世代をターゲットにした作品なら、例えばコンドームを映す場面が1度はあってほしい。
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映画制作現場におけるハラスメントについては、発足したばかりの社団法人 日本映画制作適正化機構(映適)によって独自のガイドラインと審査制度が作られている。 西山さんがここに「明記してほしい」と強く求めているのは、「性描写における前張りの義務化」である。「今の時代にも、前張りを使わない現場があるらしいんです。そういう現場にはもちろん私は呼ばれないのですが、聞こえてくるんですよ。監督と俳優たちがよくても、スタッフたちへの配慮はどうなんだと。…『しないほうが自然』とか『あると全力で芝居ができない』と考える役者さんもいるのかもしれませんが、『当事者たちがOK』という同意が、本当のところでとれているの