1. 2024/06/17(月) 22:58:52
■子育て世帯の年収の中央値は986万円
たしかに、全世帯のうち年収が1000万円を超える世帯は12.6%にとどまり、ひと握りの勝ち組といえなくもない。だが、特に都市部の子育て世帯に絞って目を向けると、その印象はガラリと変わる。東京23区に住む30代の子育て世帯の年収の中央値は986万円で、48.6%が1000万円以上という報告が昨年末に世間を騒がせた。
一口に年収1000万円と言っても、夫婦二人でそれぞれ平均年収に近い500万円ずつを稼ぎ、やっとのことで家族を養っているという例も多いはずだ。そのため都市部の場合、世帯年収1000万円は感覚としては「富裕層」とはほど遠く、むしろ「中の中」、ごく普通と言っても過言ではないのだ。にもかかわらず、今まで所得制限の憂き目に遭ってきたというのが実情だろう。
■すべて公立・国立でも1000万円超
出典:www.dailyshincho.com
子どもの就学までにまとまった貯蓄がある(試算では便宜上、開始時点での貯蓄をゼロに設定しているため)、または実家から学費の援助を受けられるなど特別な事情がない限り、対策なしでは家計はほぼ確実に破綻してしまうことになる〈図2〉。
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また、マイカーはそもそも所有しないか、手放さざるを得ないのではないか。
もちろん外食は極力避ける必要がある。共働き家庭の場合、完全に外食なしの生活は難しいかもしれないが、行くとしても低価格帯のファミレスか1皿100円の回転寿司が限界で、子どもに好きな料理を注文させても、親は周囲の目を気にしながら注文せず、帰宅してから自炊するという涙ぐましい話も聞く。
このように、都市部では世帯年収が1000万円あっても、特に子ども2人が私立中高に進学するような場合、親はつましい努力を重ねることになる。最低限の生活には不自由しなくとも、従来の「1000万円」のイメージとはかけ離れた、実に質素な印象を抱くのではないだろうか。
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イメージほど余裕のある生活を送れているわけではない、決して勝ち組とはいえない―― 高収入の一つの目安とされがちな「年収1000万円」の家族のリアルについて、加藤氏が検証する。SNS上などでは「東大生の親の4割以上は年収1000万円以上で、経済的に余裕のある学生が多いのだから値上げは妥当」という意見も多数見られ、東大の学生のみならず社会全体を巻き込んだ議論を呼んでいる。