1. 2024/05/20(月) 12:41:26
「ネットリンチが現実のいじめと異なるのは、叩かれる側もルールやモラルに反することをしているケースが少なくないこと。だからこそ正義感が過激化して『私刑』と化し、その結果、時に過剰とも取れるほどの社会的制裁につながるのです」やっかいなのは、SNSでの“制裁”が快楽に直結することだ。
「正義感をもって他者を攻撃すると、脳内に快楽物質のドーパミンが出る。例えば、不祥事を起こした著名人や企業のSNSが炎上して社会的制裁を受けると、炎上に加担した人は“自分が社会を動かし、これほどの人物(会社)に罰を与えてやった”と錯覚します」(山口さん)
“自分の力で社会を動かす”ことにゆがんだ快楽を覚えたユーザーは、再び次の獲物を探してSNS上をさまようようになる。青少年のインターネット利用問題に詳しいジャーナリストの石川結貴さんが指摘する。
「投稿の閲覧数がひと目でわかるSNS上では、炎上させて自分のコメントが注目されることに価値を見いだす人もいる。過激な発言をすればするほど“アンチヒーロー”として称賛を集めるのも、SNSのゆがんだ特性です」
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多くの人が日々利用しているSNS。暇さえあればスマホでLINEやインスタグラムなどをチェックするという人も多いだろう。しかし、SNSによるいじめや誹謗中傷、そして依存、さらには犯罪の温床となるなど、さまざまな負の側面があるのも事実だ──。