1. 2024/05/04(土) 13:34:14
とはいえ、歴史を振り返ってみれば、それも仕方ない。
最初のアイドルブームは1970年代初頭から80年代後半までの20年弱。ソロアイドルを中心に、デュオやトリオも人気を集め、大人数グループも流行を作った。
出典:gendai-m.ismcdn.jp
そして、2008年頃からAKB48がブレイクを果たし、その後、いくつもの大人数グループがシーンを席巻。とはいえ、そのブームも20年のコロナ禍発生あたりから退潮し始めた印象がある。
似たテイストのエンタメがウケ続けるのは、十数年くらいが限界なのだろう。もちろん、ソロアイドルが絶滅したわけではないし、モーニング娘。やAKB・坂道系なども継続中。いわゆる地下アイドルも含め、百花繚乱的な状況ではあり、アイドルというシステムは多様化しながら機能している。
ただ、そろそろ、令和型のアイドルブームを期待したいのだが――。それは意外と難しいのかもしれない。この半世紀で、アイドルが見せられる物語はあらかた出尽くしたという気もするからだ。
■現実には作れない二次元の世界
…とはいえ、そこに成功しているケースもある。アニメなどから派生したμ'sなどの声優系アイドルグループだ。母体となった「ラブライブ!」シリーズはマンガやアニメ、ゲームなどと連動しながら、その実写版である声優ユニットもヒットさせてきた。
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あるいは「【推しの子】」のように、マンガやアニメなら芸能界及び少女の闇のようなものも描きやすい。
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その面白さを生身の女の子で体現するには、限界もあることはいうまでもない。ただ、アイドルには物語が不可欠だというところに立ち返ることはできるはずだ。そして、生身の人間から生まれる物語には筋書きがない。一生懸命にやればやるほど、想定外のハプニングにも見舞われ、そこに芸能ならではの奥深い妙味も生まれたりする。
思えば、昔のアイドルには元ヤンキーとか元風俗嬢といった都市伝説(? )がちょくちょく囁かれたし、それこそ「【推しの子】」顔負けのスキャンダルや悲劇も起きたりした。また、低身長グループのミニモニ。みたいな意表の突き方や、前田敦子や平手友梨奈が示したインパクトのある言動がファンを面白がらせてもきた。
要は生身の女の子が輝こうとして、それを使ってエンタメにしようとする人たちとそれを楽しみたい人たちがいる限り、思いがけない物語が生まれる可能性はまだまだ残されている。そこから新たなアイドルブームも始まるはずだ。
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YOASOBIの「アイドル」が象徴するように、いまやアニメなどとも連携して、日本の「カワイイ」カルチャーを代表するものとなっているJ-POPの女性アイドル。ただ、最近は新鮮味よりはマンネリ感を覚えてしまっている人も多いのではないか。