1. 2024/04/18(木) 20:57:27
■女性は常に女性を引き下ろすわけ
一方、女性は容姿について男性ほどのこだわりを持つようには作られていない。むしろ女性が見つめているのは、潜在的な競争相手である魅力的な女たちの容姿である。
女性たちが同性を「点検」しようとする視線は、男性が女性を性の相手として値踏みする視線と同等か、それ以上に鋭い。さらに言えば批判的な態度を基本としている。
潜在的な競争相手であるためこれは自然なことでもあるが、吟味の対象となった場合には基準をどちらに合わせるべきか、厳しい淘汰が待っている。
属するコミュニティによっては、外見が露出することさえ暗黙裡に許されないというルールが生じてきているというケースもある。外見による外部からの評価に常に晒され続け、実際に扱いの違いに悩まされるのは女性の側というように、やや負担が偏る理由はこうしたことで説明される。
自分を他の女性たちと間断なく比較せざるを得ない通念の中に生き、逃げることも不可能であれば、無意識のうちに相手を引き下ろして自分と同列に並べようとする個体が頻出するのもゆえなきことではなかろう。たとえば、容姿が良いだけで、頭が悪いに違いない、尻軽である、性格が悪い、上から目線だ、言っていることが退屈だ……など。
■容姿と幸福度
容姿の良い人はそうでない人たちより幸福であるとは限らない。
(略)容姿の良い男性はほかの男性に比べて満足度が高く、幸福度も「わずかに」高いことを発見した。容姿の良い女性はそうでない女性より幸福に感じることもあるが、より不幸も強く感じるという結果が得られた。
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人間心理に脳科学から鋭く切り込む中野信子さんの連載第14回。人は無意識のうちに容姿の良い人にいい態度をとってしまうということが判明した。ただし、男女で比べると男性のほうが外見で得をするということも。容姿と幸福度や恋愛の関係にも迫る…。