1. 2024/04/16(火) 17:23:01
■「外国人が日本で安心して暮らすことができなくなる」
他の在留資格には状況によって更新できなくなるリスクがあるため、永住許可は日本で安定した生活を送ることを希望する外国人の”命綱”となってきた。しかし、法改正により、永住許可にも些細なきっかけで取り消されるリスクが存在するようになれば、外国人が日本で安心して暮らすことができなくなるという。
「また、税金や社会保険料の滞納や、退去強制事由に該当しない軽微な法令違反に対しては、日本国籍者に対するのと同様に法律に従って督促、差押、行政罰や刑罰といったペナルティを課せば十分であり、外国籍住民にのみ日本で十分な生活基盤を築いて永住許可を受けたにも関わらず在留資格取消というペナルティが課されるのだとすれば、これは外国籍住民に対する差別です」(声明より)
声明によると2023年6月末の時点で永住者の数は約88万人であり、在留外国人の約27%を占めている。そのうち、18歳未満の永住者は約10万人。親の永住許可と連動して子どもの永住許可が取り消されるとすれば、子どもの進路や将来にも深刻な影響が生じることが懸念される。
出典:img.ben54.jp
では、なぜ数年前から永住許可の取り消しが検討されているのか。丸山弁護士が示唆するのは、将来的に「特定技能2号」の在留資格で受け入れる外国人の数を増やしたいと考えている政府(自民党)が、移民受け入れに消極的な層を説得するための“取り引きの材料”として、永住許可の取り消しを持ち出しているという可能性だ。
つまり、現に永住許可を受けている外国人の側に問題があるのではなく、経済のために移民の数を増やす政策と「移民に反対する層の支持を失いたくない」という思惑を両立させるために、政府の支持層のあいまいな“不安”を優先して参政権を持たない外国人たちの具体的な人権を制限する、という構図があるかもしれない。
+842
-4
新制度の方針について発表された2月9日、NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」は「永住者に対する新たな在留資格取消制度の導入に反対する声明」を発表した。 声明によると、永住者の在留資格は、一定年数日本で暮らし、安定的な生活を送っているなどの厳しい要件を満たしてはじめて認められる。また、近年では永住許可の審査は厳格化しており、長年日本で生活していても永住が許可されない外国籍住民が多くなっているという。 永住資格の申請時には安定して生計を立てられていた外国人が、病気や失業、経済の悪化などにより生計が立てられなくなる可能性はある。