1. 2024/04/05(金) 11:33:05
「勉強嫌いの息子の中学受験は、完全に親のエゴでした。でも最後に『中学受験をしてよかった』という息子の言葉を聞いてホッとしています」6年生の夏休み明けに実施された保護者面談は、過去問を解くにあたって志望校を決めるものだった。慶応を受けさせたいという思いではじめた受験だったが、本人の成績が伸びてこない。模試もいくつか受けたが、合格可能性は20%からせいぜい50%だ。
成績が足りていない割に危機意識も乏しく、必死で勉強しようという気持ちが感じられない。第一志望は慶応普通部というものの、本当に合格したいのだろうか。受かる可能性が低いのであれば、はっきりいってほしいというのがぼくの思いだった。
小川先生の回答はシンプルだった。
「第一志望校を親が決めたら、一生恨まれますよ」
志望校に受験するという気持ちがあるからこそ、つらい勉強を乗り越えることができるという。親がはじめた受験でも、最後に決めるのは本人だ。先生は目が怖い、という孝多の言葉がわかった気がした。
出典:gendai-m.ismcdn.jp
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■「親ガチャ失敗だよ」
答案用紙に字を丁寧に書かない孝多に、これでは採点もしてもらえないと注意したときだ。ぼくのいい方が気に入らなかったのか、点数などつけてもらわなくていいといい、受験もやめるといい出した。
「親ガチャ失敗だよ」
孝多はドアを思い切り閉めて、洗面所に行ってしまった。
相手に対する嫌悪感を表現したものであれば、ぼくのどんな言動が孝多をそう思わせてしまったのか。勉強しろとばかりいうところか。時間管理にうるさいところか。孝多のことを思っての注意なのだが、その気持ちは相手に伝わらない。
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こう語るのは、森将人さん。慶應義塾大学を卒業した元大手証券ディーラーだ。「親のエゴ」と言いながら、中学受験をして良かったという言葉が出たのはどうしてなのか。人の体験を参考に、わが子はどうだろうと向き合うことは「自分たちの中学受験」をより良い挑戦にするきっかけにもなりうるだろう。