1. 2024/03/07(木) 14:15:27
台湾の世界チャンピオンの友人に笑われた。
「日本人、お金ないんだね」
そう言われたのは、松田志保。フィンスイミングでリレー、短水路種目などを合わせ、12個の日本記録を持つ国内の絶対女王である。しかし――。
「その台湾の友達はプロのような形で活動していて、1、2か月に1回くらい日本に来て、観光して、練習して、買い物して帰っていく。『志保、この後、予定ある?』と言うので『仕事』と答えたら『日本人、お金ないんだね』って(笑)」
陽気な関西弁で明るくぶっちゃけたが、日本のフィンスイミングが置かれた環境は厳しい。
32歳の松田も水泳インストラクターとして働きながら、競技をこなす。週2~3日の練習を確保できるよう、仕事のシフトを組む。丸1日休める日は意識して作って月2日程度。それでも「やりたくてやっている競技なので」と言い、競技のリアルを明かす。
「台湾や韓国は年俸制で稼げるみたい。韓国は秋にある国体の成績で金額が決まる。それを終えてアジア選手権に来るのですが、あまりやる気がなく、観光気分の感じ(笑)。でも、それに日本は負ける。日本ではフィンスイミングの競技自体で稼げるお金はゼロ。選手だけで生活している人はいないですね」
(略)
何より大きいのが国際大会の遠征費。2年に1度の世界選手権とアジア選手権が毎年交互にあり、アジアなら20~30万円、欧州や南米なら50~60万円。日本代表として派遣されるが、その自己負担となる。
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