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“邪魔者”が次々不審な死を遂げていく ナワリヌイ氏が急死した「暗殺社会」ロシアの「毒殺の伝統」(全文) | デイリー新潮
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アメリカ在住でロシア出身の化学者ヴィル・ミルザヤーノフ氏が2020年9月10日、ロシアで人気が高いラジオ局「エーホ・モスクワ(モスクワのこだま)」のインタビューで、ナヴァーリヌィー氏に用いられた薬品が兵器級と恐れられる「ノヴィチョーク」だと断言している。
※文中ではナワリヌイ氏を「ナヴァーリヌィー氏」としています
「ナヴァーリヌィー氏の症状が、『ノヴィチョーク』によるものと似ているからです。イギリスに住むロシアの情報機関職員だったセルゲーイ・スクリパーリ氏に2018年に使用されたとされる『ノヴィチョーク』A-234よりも強力なものだったと見られます。スクリパーリ氏の場合は、ゲル状の『ノヴィチョーク』が家の玄関ドアーのノブに塗られていました。『ノヴィチョーク』の製造は、ロシア国立研究所以外では無理です。世界で生産できるのは、ロシアだけです」
じつはミルザヤーノフ氏は、ノヴィチョークの開発者の一人であった。この毒物はソ連時代の1970年代前半に開発がはじまったが、実態については20年近く国家機密として隠されてきた。ソ連邦の崩壊直後の1992年、反ソ連体制派の科学者たちは、ノヴィチョークが化学兵器であることを告発しようと試みたが、失敗に終わったようだ。その一人がミルザヤーノフ氏だったのである。
この毒物が世界に知れわたるようになったのは、先に述べたスクリパーリ氏の暗殺未遂事件であった。ノヴィチョークは無色透明で無臭、そしてVXガスの5~8倍の威力があると推定されている。飲み物や衣服をとおして体内に取り込まれると、呼吸や心拍が停止するなど神経性の障害を引き起こす危険な毒物なのである。
出典:www.dailyshincho.com
ここでプーチン政権の発足以降、毒物の使用が疑われている主要な殺人事件(未遂を含む)を、以下に記してみたい。
・FSBの汚職を追及したジャーナリストのユーリー・シェコチーヒン氏(2003年)
・チェチェン人への人権抑圧を告発したジャーナリストのアーンナ・ポリトコーフスカヤ氏(2004年未遂、2年後に自宅アパートのエレベーター内で射殺)
・プーチン氏がFSB長官時代に職員であったアレクサーンドル・リトヴィネーンコ氏(2006年)
・野党指導者のヴラシーミル・カラー=ムルザー氏(2015年と17年、ともに未遂)
・反政権派の演出家ピョートル・ヴェルジーロフ氏(2018年未遂)
・市民運動家のニキータ・イサーエフ氏(2019年)
・辛辣(しんらつ)な政権批判を展開するコメンテーターのドミートリー・ビィーコフ氏(2019年)
敵対者への警告や見せしめの意味もあるが、背景には「裏切り者は絶対に許さない」「復讐は名誉ある戦い」というロシアの伝統的な掟がある。プーチン政権下で続く事件は、まさに古いロシアの体質を継承している証(あかし)なのである。
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