1. 2024/01/26(金) 15:13:23
「これは報復だ」。コロナ下の2021年10月、福岡市の病院で作業療法士として働いていた女性(36)は来院した80代の男性に呼び出され、こう書かれた手紙を見せられた。「どういうことですか」と尋ねると、突然顔を2度殴りつけられ、倒れた後もつえで尻を繰り返したたかれた。
その場にいた患者の家族らが男性を取り押さえたものの、女性は精神的ショックで出勤できなくなり、うつ状態になった。抗うつ剤を服用しながら職場復帰を目指したが、患者と関わることが怖くなり退職した。
女性は「患者さんのためと思い働いてきたが、いわれのないことで暴力を振るわれ、今も思い出して怖くなる」と声を震わせる。
病院によると、男性は暴行があった2年前に循環器などの検査で入院し、リハビリの指導を受けた。だが、退院後もたびたび病院を訪れ「職員から暴行を受けた」などと事実ではないことを口にし不満を訴えた。毎回責任者が対応すると落ち着いて帰っていたが、暴行につながったことに、病院幹部は「職員を守れず心苦しい」と肩を落とす。
出典:cdn.mainichi.jp
医師法では「医師は診療を求められた場合には正当な理由なく拒んではならない」との「応召義務」が定められ、ハラスメント被害を訴えづらい環境がある。
20年には改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が施行され、顧客の迷惑行為(カスタマーハラスメント)対応が事業主に求められるようになった。ペイハラで精神疾患になり労災認定される事例もあり、厚生労働省の担当者は「見過ごせない」と警戒する。
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医療現場で医師や看護師ら医療従事者が、患者やその家族から暴言や暴力などの迷惑行為を受ける「ペイシェントハラスメント」(ペイハラ)被害が後を絶たない。