1. 2024/01/21(日) 11:52:57
七輪で焼いた焼魚のニオイから魚の名前を当てる問題でエイを正解した宮澤少年は、「今日買いました」と一言。「ロケのあいだに買ったの⁉」と聞かれて「家でさばきます。4匹」と答えた宮澤少年に、中村有志からは思わず「ヘンなひと!」という驚きの言葉が漏れる。
17歳の高校生を「さかなクン」に変えた…「TVチャンピオン全国魚通選手権」が"伝説の番組"と語り継がれるワケ 初出場で「天才」と呼ばれ、驚異の5連覇を達成 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
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1992年に誕生した『TVチャンピオン』(テレビ東京)は、なぜヒットしたのか。社会学者の太田省一さんは「それまでにはなかった、素人のすごさをストレートに見せることに徹した番組だったからだ。TVチャンピオンはテレビ界に革命を起こした」という――。
■『TVチャンピオン』がテレビ界に起こした革命
テレビの本放送が始まって約70年。黎明れいめい期のころから、視聴者参加形式の番組も多いバラエティにおいては、素人が存在感を発揮してきた。ただほとんどの場合、素人はプロの芸人などから「いじられる」存在にすぎなかった。
ところが、1992年に始まった『TVチャンピオン』は違っていた。この番組の素人は、「いじられる」存在ではなくなった。さかなクンのような特定の分野についてのきわめて豊富な知識や「和菓子職人選手権」の職人たちのような超絶技巧、さらには「大食い選手権」の参加者たちの人並外れた食欲など、誰にも真似できないような能力を披露して驚嘆される存在になった。
要するに、素人は「いじられる」存在から「すごい」存在になったのである。
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それまで「オタク」という言葉には「暗い」などネガティブな意味合いがつきまとっていた。だが宮澤少年のことを松本明子が「オタッキー宮澤」と呼び、中村有志が「ヘンなひと!」と言うとき、そこには明らかに親愛の情がこもっている。
そして生粋の「魚オタク」である宮澤少年は5連覇し、多くのひとが尊敬と親しみをこめて「さかなクン」と呼び愛される存在になった。
いまや「推し活」という名のもと、「オタク」であることは生きる喜びとして肯定されるような時代だ。『TVチャンピオン』は、そんな現在への道筋をつけた番組でもあった。
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