1. 2024/01/04(木) 17:24:18
■逃げられないことではなく「DVを止める仕組みがないこと」が問題
「たとえばこの分野の先進国であるアメリカでは、DVに際して警察を呼べばすぐ裁判所につながり、即行で夫婦を引き離し、まずは安全を確保します。そのうえで、DVの有無を認定するための審理を迅速に開始します」
日本では警察に頼っても「夫婦げんかは民事不介入」と言われてしまうと聞きます。その部分がそもそも違うのですね。
「はい。アメリカを主とする諸外国ではDVに警察が介入し、被害者の安全を守る仕組みが確立しています。いっぽう、日本では110番通報してもその場で分離とはならず、その後の裁判手続きも長くかかります。本当に命に危険のあるDVが起きていたとしても、接近禁止命令は裁判手続きで得る必要があります。証拠を集めて提訴してと、大変な負担と時間がかかります」
「なので、危険がある場合に『逃げる』以外の選択肢がなく、連れ去りが起きます。このように、日本は逃げる原因となるDVに対する支援が薄いことが問題であり、親権が単独かどうかはその次の段階の問題なのです」
出典:i.imgur.com
「警察や支援窓口で相談したという経歴だけで支援措置が受けられるのは手厚いようでいて、逆に問題を深くしています。というのも、単なる性格の不一致なのに自分と子どもの居所をわからなくする『虚偽DV』が発生しやすいのです。
(略)女性側でも事実を曲げた主張をする人は多々見受けられるため、女性だけが被害者だという構図を作りあげてしまうと、両性ともに「救済の網からこぼれる人」が増える可能性があります。
「なぜ連れ去るかというと、日本では子どもを連れ去ればまず親権争いに勝てるためです。先手必勝であるため、マンガや小説でもDVに耐えかねた母子が『逃げる』という選択が典型例として描かれるのでしょう」
(略)夫がDVを行い、子どもを連れ去る、さらには虚偽DVまで申し立てるというケースが想像以上に多いのです。知恵の回る側が既存の仕組みを悪用する例と言えるかもしれません」
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「共同親権」という言葉を目にする機会が増えました。両親の離婚後に子どもの監護養育を行う「親権」は日本では「単独親権」で、両親のうちどちらか1名に帰属すると定められています。 「ですが、子どもの幸福という最大の目的を考えた場合、単独親権とは過酷な仕組みと言わざるを得ません」。…とはいえ、共同親権にすると、DVから逃げようとしている女性が居所を突き止められてしまい、暴力から逃げる権利がなくなってしまうのではないでしょうか?