1. 2023/11/08(水) 12:32:53
騒動の中で、痛感したことがいくつもあったという。「当時の社員たちの動揺は半端なかったです。なんでこんな目に遭うのか、という悔しさもありました」。
それに、当時住んでいたのは都心の一等地・表参道。事件前は、会社と家の間にある西麻布で週5、6日は合コンや業界関係者・有名人との飲み会に明け暮れていた。「1食2万円のディナーは普通。ライブドアの名前が世の中に知れ渡るにつれて、どこに行っても人が寄ってきました。『俺ってこんなにモテるんだ』と、錯覚していました」。ゴージャスな豪遊生活は一気に崩壊。「事件から1週間で、みんな手のひら返しでした。毎月80万円のコンサル料を支払っていた著名人まで『ライブドア社との付き合いはありません』って。みんな離れていきました」。すべてが虚栄だった。1人ぼっちになった。
そこで再び、生きる意味を見つめ直した。「悟りをビジネスでどう使うのか」を重視し、悟りを開いたと自称する人を独自に探して、21人に会いに行き、尊敬できる1人にたどり着いた。07年秋に弟子入りし、師匠が興した事業会社に合流。完全歩合制で働きながら、禅問答のような人生に関する対話を繰り返し、「悟り修行を重ねていきました」。表参道の家を引き払い、ルームシェア暮らしに。3000円のランチを平気で食べていた食生活は、1食200円以内で切り詰めるように。人生の再スタートを切った。
その後、17年に、方向性の違いなどから師匠とたもとを分かち、独立した。現在は、自ら立ち上げたビジネススクールで社会人向けにビジネス論や人生哲学などを教えている。塾生には有名企業のマネジャークラスも加入しており、経営者は3割いるという。
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実業家・堀江貴文氏のもとで“ホリエモンの右腕”として働き、華麗なる六本木ヒルズ生活を送っていたが、自身とは無関係だったライブドア事件で一転。豪勢に飲み歩く日々から1食200円の節約生活を歩むように。そこから「修行」を経て、ビジネススクールの起業を果たした経営者がいる。『ワンネス株式会社』の社長を務める石山喜章氏だ。中学時代に壮絶ないじめを受け、生きる意味を模索し続ける人生は「波瀾万丈ですが、いろいろあると飽きなくていいですね」。七転び八起きの生き方とは。