1. 2023/08/31(木) 10:20:59
決して大谷自身が悪いわけではなく、あまりに礼賛一辺倒なメディアのあり方に問題があるのかもしれない。野球に関心がないという26歳の会社員女性はこう話す。「野球って毎日やってるから、毎朝大谷のニュースをやるじゃないですか。『第1打席は』とか変わり映えのない映像を出されて、出演者みんなが口を揃えて『大谷はすごい、すごい』と繰り返す。こんなことって野球以外でありますか? 野球がうまいことって、みんなが褒めなきゃいけないものなんですかね。嫌なら見るなってことなんでしょうけど、テレビ点けたら大谷がいるから、嫌でも目に入ってしまうんです」
(中略)
元朝日放送アナウンサーで大阪国際大学元教授の長沢彰彦氏は、「今の社会の希望のなさが『大谷信仰』に現われている」と分析する。
「マスコミだけでなく、SNSでも大谷への悪口が見当たらない。甲子園で慶應高校の先頭バッターが『美白王子』と騒がれましたが、これも同じような現象です。今の社会はものすごく閉塞感が強いため、大谷翔平のように夢を叶えた聖人君子がいると、暗闇の中で光に向かうように、みんなが反応してそこへ向かってしまう。しかし、それとバランスを取るように悪い方向にも反応するので、『叩いていい人はめちゃくちゃ叩く』という両極端になっています。
大谷に対しては『巨人・大鵬・卵焼き』や『王・長嶋』といった昔のスターへの憧れ方とは違い、大衆の『希望』が結びついている。だから、安易に批判できなくなっているのだと思います」
+263
-577
二刀流として前人未到の活躍を続け、ニュースで見ない日はないエンゼルス・大谷翔平(29)。日本が世界に誇る大スターだが、国民総出での絶賛ムードに異を唱える人も確かにいる。そして、それを口にすることは、今の日本ではきわめて難しい。