1. 2023/08/23(水) 21:59:52
肉類を多食していると、動脈の壁にコレステロールが溜まって動脈硬化となり(これは現在では否定されている学説です)、血圧が上がり、血管が詰まりやすくなって心筋梗塞のリスクが高くなる――そう考えられてきたため、欧米の医師たちは、「肉を食べすぎてはいけない」と指導してきたわけです。すなわち、心疾患で死ぬ国の健康法です。
一方、日本は、がんで死ぬ国です。毎年、厚生労働省が発表する「人口動態統計」によると、日本人の死因の第1位は「がん」で、2022年の統計では約25パーセントの人ががんで亡くなっています。心疾患は約15パーセントとがんの6割程度ですが、急性心筋梗塞に限れば、その12倍以上の人ががんで亡くなっているのです。
それなのに、肉を食べすぎるのは体に悪いから減らそうとか、太りすぎはよくないからやせようという欧米型の健康法が、そのまま移入されているわけです。
がんの種類にもよりますが、できそこないの細胞ががん細胞として増殖し、発見できる数センチメートルの大きさになるまでには、数年から10年以上の時間がかかります。したがって、がん検診で初期のがんが見つかったという場合、何年も前に免疫機能がとり逃したがん細胞が増殖したと考えられます。
免疫の活性は、さまざまな原因で高まったり弱くなったりしますが、何らかの原因で、免疫の活性が下がった状態が続いていたのかもしれません。免疫細胞に必須であるコレステロールの不足も、免疫機能が低調となる原因の一つとなります。
こうしたことから、心疾患で死ぬ人が多い国は、コレステロール値を低めにしておいたほうがいいのです。逆に、がんで死ぬ人が多い国は、コレステロール値をむしろ高めにしておいたほうがいいといえます。
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長生きするにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「もっと肉を食べることだ。コレステロールを気にして控える人がいるが、かえって寿命を縮めている可能性がある」という――。