1. 2023/08/13(日) 20:45:17
――(覚醒剤を)やめようとは思わなかったんですか。
もちろん何度も何度も思いました。「こんなことをしていちゃいけない」と。でも翌日にはまた薬物のことを考えてしまう。薬物ファーストになってしまうのが依存症です。当時は、自分が薬物依存症だとは思ってもいなかったんですが。
これも後になって、ダルク(薬物依存症からの回復をサポートする施設)で学んだことなんですが、「孤独」というものが大好物なんですよね、薬物って。
覚醒剤をやっていると寝なくても大丈夫で、夜行性になっていく。友人と時間が合わず、クスリをやってる負い目もあって、だんだん疎遠になっていく。
その時は自分でわからなかったんですけど、ぼくはあの時、孤独だったんだなって今は思います。強がっていたけれど孤独だった。もちろん自分が悪いんですが。誰にも打ち明けることができなくて、やめたくても負のループから抜け出せなくて、また繰り返してしまう。
逮捕されたとき、警察官が10人ぐらい家に入ってきました。正直、「これでやっとクスリをやめられる」と思いました。もう自分の生活がままならなくなっているのもわかっていましたし。闇の中をさまよっているような毎日でした。実際には昼間も歩いているし、仕事もしているんですけど、暗いイメージしかない。
出典:newsatcl-pctr.c.yimg.jp
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NHK「おかあさんといっしょ」で1999年から4年間、「歌のお兄さん」を務めた杉田あきひろさん。2016年に、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けました。薬物依存からの回復、再起へともがく日々を救ってくれたのは、長野県松川村で開かれたコンサートでした。