1. 2023/07/26(水) 00:30:25
■言葉づかいでグループが分かれる
小川:『(略)言葉を持っていない子どもたちは同じような子と集まり、粗雑なやりとりをする一方、言葉を持っている子たちは、豊富な語彙で複雑なコミュニケーションをしているんですよね。
石井:言葉が違うということは、思考も違います。思考は言葉を使ってするものですから、少ない語彙で考えるのと豊かな語彙で考えるのとでは深さが変わります。思考が違う子同士は付き合えないんですよね。
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石井:何人かの先生に聞いたところによると、今の高校生はクラスの半数と喋ったことがないまま卒業していくそうです。名前も知りません。名字はわかっても下の名前がわからないんです。嫌いなわけではないけれど、文化が違うから交わらない。コミュニティも小さくなっていて、2~3人で1つのコミュニティになっています。多様性社会というより、多様な分断社会ですよね。
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子どもたちの言葉を奪う社会の病理を描き出して話題となった『ルポ 誰が国語力を殺すのか』の著者、石井光太氏。「ヤバイ」「ウザイ」などの言いかえを紹介しながら、楽しく語彙を増やす児童書『超こども言いかえ図鑑』の著者の一人、小川晶子氏。 両者が、「子どもと言葉」について感じる危機感を、それぞれの立場からざっくばらんに語り合った。