1. 2023/07/06(木) 10:03:00
利用者はどんな人たちなのか。ヨーロッパでは総じて、高学歴・高年収のいわゆるキャリア女性が多いが、日本ではあまりそうした傾向は見られない。年収も学歴も、幅広い層のシングル女性から問い合わせがあるという。
「とにかく子どもが欲しいけれどどうしていいかわからない、という方がたくさんいらっしゃるんでしょうね。親御さんから相談を受けることもあります。シングル向けのセミナーに『娘のことで』とお母さんが参加されたこともありますし、オンラインセミナーで『親とリンクを共有したい』と問い合わせをいただくこともあります」
(中略)
「利用者全体からすると少数ですが、日本にもかなり高所得で経済的に自立した選択的シングルマザーはいて、この人たちは周囲の批判をまったく気にしていません。海外経験やキャリアがあり、ご自身の選択に責任を取ることに慣れているので、『これは自分が選ぶことであって、他人にどうこう言われるような話ではない』という信念があるんですね。だから周囲にも『精子バンクで子どもをもった』と、あっけらかんと公表しています」
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この20年で母子世帯に占める“未婚の母”の割合が約2倍になった。海外の精子バンクを利用して結婚をせずに子を持つ選択をする女性も増えている。ライターの大塚玲子さんが世界最大の精子バンク、クリオス・インターナショナルの日本での利用状況を取材した――。